トランスフォーマーアニメイテッド エピソードガイド08

#30 #31 #32

「TransWarped」

Written by : MARTY ISENBERG , MICHAEL RYAN , MARSHA GRIFFIN
Art Direction : DERRICK J.WYATT
Directed by : MATT YOUNGBERG . YOSHIO FRANK CHATANI , TETSURRO MORONUKI , YUTAKA KAGAWA

あらすじ

宇宙の各地でディセプティコンの残党が、一斉に武装蜂起を始めた。ロディマスプライム率いるオートボットのチームも、ディセプティコンの掃討任務にあたったが、敗北を喫してしまいスペースブリッジを奪われてしまう。ディセプティコンの目的は、スペースブリッジを使い、直接サイバトロン星に乗り込む事であった。しかし地球でのメガトロンの計画が失敗に終わり、更にメガトロンが行方不明になってしまった事で、彼らの計画は中断を余儀なくされたのであった。

その頃メガトロンと首だけになったスタースクリームは、宇宙空間を漂流していた。そこへやはりスペースブリッジに吸い込まれた、オメガスプリームが転送されてくる。メガトロンとスタースクリームは、オメガスプリームの内部に潜入。オメガスプリームを言葉巧みに騙すと、自らをサイバトロン星へ連れていくよう仕向けるのであった。スペースブリッジにも使用されているトランスワープエネルギーを持っているオメガスプリームは、ワープを始めるのであった。

地球では、サリとサムダック博士が感動の再会…をするはずであったのだが、サリが実は機械生命体であった、という事が解り、二人の間の空気は最悪のものとなってしまった。サムダック博士の話では、数年前のある日、博士の研究室にいた小さなロボットがサリになった、と言うのだが、サリはとてもそんな事を信じられないし、何より今まで自分に対して嘘をついていた、という事が許せないのであった。タワーへ戻ってきたサムダック博士。しかしそこにはパウエルとマスターソンがいた。二人の傍若無人な振る舞いにサリは怒りを露にする。とサリの腕がトランスフォームを始め、光球を発し二人を追い払うのであった。サリとサムダック博士の間には、ますます重い空気が流れ、オプティマスはしばらくサリを預かるよう申し出るのであった。

宇宙では、先の戦いで真っ先にスペースブリッジにより飛ばされてしまった、ブラー、スカイワープ、サンダークラッカーがミックスマスターのコンクリートにまみれて、固まってしまっていた。なんとかコンクリートから脱出するや否や、ブラーは一目散にサイバトロン星へと走り出す。サイバトロン星にディセプティコンのスパイがいる、という事をなんとかして伝えないといけないのだ。

地球でもバンブルビー達が、サイバトロン星へスパイ=ショックウェーブについて連絡をしようと試みていた。しかしテレトラン1=オメガスプリームが無くなってしまい、連絡手段が無いのである。そこでバンブルビーとバルクヘッドは、スペースブリッジの残骸から再びブリッジを作り出し、直接サイバトロン星へ報告をしようと、ディセプティコンの基地跡へと向かった。しかしスペースブリッジの中核を成すプラズマ・ダイナミック・スラスターを拾ったバンブルビーは、トランスワープエネルギーの影響でいずこかへとワープしてしまう。バルクヘッドも、スタースクリームのボディを得たヘッドマスターの強襲を受け、傷ついてしまうのであった。

サリとサムダック博士を仲直りさせるためオプティマスは、サムダック博士にこっそりと連絡を取る。バーガーショップで再会する二人であったが、サリは頑なな態度を取り続ける。しかしそこへ、ヘッドマスターが出現。オプティマス達を襲うのであった。オプティマスとヘッドマスターの戦いは、激しさを極めた。そしてヘッドマスターの手が、サリ達に迫る。しかしサムダックは、身を呈してサリを守る。ヘッドマスターはオプティマスの知恵により撃退され、サリは自らを守ってくれたサムダックに、ようやく心を開くのであった。更にプロールの調査により、サリはサイバトロン星のプロトフォームが、サムダック博士の遺伝子に反応して生まれた存在であると判明する。

サイバトロン星では、ディセプティコン襲撃を防ぐのため、全てのスペースブリッジが封鎖されてしまった。これでは計画に支障が生じてしまう、とロングアーム=ショックウェーブは困っていた。そこへブラーが宇宙空間を走ってやってきた。ブラーはロングアームに、サイバトロン星内にスパイがいる事を報告。ロングアームは自分の正体が知られる前に、ブラーを秘密裏に始末してしまうのであった。

地球では行方不明のバンブルビーを呼び戻すために、バルクヘッドがビーコン受信機のスイッチを入れる。早速バンブルビーと思しきトランスワープエネルギーを受信。地球へと誘導するのであったが、やって来たのはバンブルビーを飲みこんだままの、岩石モンスターであった。暴れまわるモンスターを止めるため、オートボット達は出撃する。自分もトランスフォーマーの仲間であると知ったサリも出撃しようとするが、オプティマスに止められてしまう。自分に力が足りないから止められたのだと思ったサリは、鍵の力を使い自らのアップグレードを計り、その姿を変えるのであった。

アップグレードしたサリは、岩石モンスターを撃退し、バンブルビーを救出するのであった。しかしサリは力に飲み込まれ、暴走を始めてしまう。サリは様々な物を破壊しはじめ、とうとうバンブルビーをも傷つけてしまうのであった。生死の境を彷徨うバンブルビー。オートボットはサリの暴走を止めるため、サリに刺さった鍵を抜く。それでもサリの暴走は収まらず、また鍵はその力を使い果たし、バンブルビーの修理すらも出来ない。ラチェットは培った技術と勘でバンブルビーを修理し、そしてサリが死ぬかも知れない危険を知りつつもEMPを使い、暴走を止めるのであった。

サムダック博士を呼び寄せ、サリと対面させるオプティマス。これ以上は何も起こらないだろう、と皆が思ったその時、突如としてオメガスプリームがワープをしてくる。オメガスプリームはすでにメガトロンの支配下にあり、オートボットに対し攻撃を仕掛けてきたのであった。バンブルビーとバルクヘッドが囮になり、オプティマスとプロールがオメガ内部に侵入。プロールはオメガスプリームの中枢部に直接アクセスし、彼の意志を呼び起こし、メガトロンの支配を解除するのであった。コントロールルームではオプティマスとメガトロンが、またしても対峙していた。

メガトロンはオプティマスを打ち倒し、再びオメガスプリームを支配しようとしたその時、スタースクリームがオメガスプリームの全機能を掌握した。駆けつけたラチェットの説得も空しく、スタースクリームはサイバトロン星向けて飛び立つのであった。その時、バルクヘッドとバンブルビーは例のプラズマ・ダイナミック・スラスターを、オメガスプリームのボディに仕掛ける。オメガスプリームは、宇宙をあてども無くワープし続ける事になったのだ。

サイバトロン星の評議会では、今回の一連の事件について、やはりスパイが暗躍しているのだろう、という結論に達していた。ウルトラマグナスは、エリートガードにスパイの追跡を命令。更に地球のオプティマス達にも連絡を取ろうとするのであったが、ロングアームはそれを何とか阻止せんとしていたのであった…。

解説

シーズン3がいよいよスタートです。今回最大の見所は、なんといってもいきなり登場する、多くの新キャラクター達でしょうか。冒頭のロディマスやホットショト、サイクロナスにストライカ、ブラックアウトなどに始まり、脇役のちょっとしたキャラクターをも含めると、軽く10人以上は出てきているでしょう。そういった他シリーズのキャラクターを、上手くアニメイテッド風にアレンジしているのは、流石と言わざるを得ません。ちなみにブラックアウトの登場シーンは、実写映画での彼の登場シーンのオマージュになっています。またオイルスリックがロディマスに使ったコズミックルストも、G1に同名の物が出てきております。

今回はエピソードの途中に、ラチェットの回想が挿入されています。主にアーシーとオメガスプリームにまつわる回想なのですが、これがシーズン2まで謎であったグレートウォーを語っているのと同時に、シーズン3全体への伏線を張っている、という事を見逃してはいけません。

スペースブリッジとオメガスプリームに関連して「トランスワープ」という単語が出てきます。これは本編を見ていただければ明らかなのですが、スペースブリッジなどのワープ技術に使われているエネルギーです。これもシーズン3全体を通して見ると、重要な要素となっているのが解るかと思います。

シーズン2のラストで提示されたサリの秘密ですが、結局サリもトランスフォーマーの一人であった、という事で一段落しました。そして鍵を使いパワーアップして、これからはオートボット戦士として大活躍!…と思いきや、シーズン3での以降のサリの出番は極端に少なくなります。一部ネタバレになるのですが、以降はサリだけでは無く、人間キャラクターの出番も極端に少なくなってしまいます。人間のヴィランなどは、今回登場したヘッドマスターが、ほぼ最後の活躍だと言ってしまっていいでしょう。逆に言うとシーズン3は、今までよりもトランスフォーマー達の描写に、多くを割いているのだという事が言えます。

ちなみに今回登場するプロトフォームとは、要するにトランスフォーマーの素体、赤ちゃんのようなものです。この素体が様々な機械をスキャンして、そしてスパークが与えられる事で、彼らはトランスフォーマーとして誕生するのです。