ビリー&マンディ全話ガイド1



第1話 「死神さんこんにちは」
(原題:Billy & Mandy)

(初放送 2003.8.2)

(あらすじ)
人形で楽しく遊んでいるビリー。そこへマンディがやって来て、ハムスターのミスタースナグルスに会わせろと言う。今日はミスタースナグルスの誕生日。ハムスターにして10歳はかなりの高齢である。

とそこへ死神グリム登場!彼はスナグルスの命を奪いに来たのだ!しかし当然ビリーとマンディがそれを承知するわけもなく、スナグルスの命を賭けて死神グリムと勝負する事に。

勝負はリンボーダンスで。もしグリムが負けたらビリーとマンディの親友になってやる、と約束するのだったが・・・。


(解説)
かくして「ビリー&マンディ」の第1話であります。この話はパイロット版でもありますので、「ホワット ア カートゥーン」や「カートゥーンカートゥーンズ」などで見た、って方もいらっしゃるのでは無いでしょうか?

見所はやはり、ビリー、マンディ、そしてグリムのそれぞれのキャラクターでしょうか?第1話からして、すでに三人のキャラクターが出来上がっているのが良くわかると思います。特に今回はマンディさんの邪悪さがいい味を出しています(笑)。

ところでグリムは何故スナグルスの命を賭けたゲームに「リンボーダンス」を選んだのでしょうか?実はこれには深い理由があります。
日本語版を見る限りでは、リンボーダンス勝負の舞台は「三途の河原」となっています。この「三途の河原」と言うのは、わかりやすく言えば「あの世」と「この世」の境目でして、死者はこの川を渡るともう「この世」に戻って来る事が出来ない場所であります。別名を「賽の河原」とも言います。
さてそれではキリスト教における「三途の河原」に相当する物は何かと言いますと・・・これを「リンボ(limbus)」と言いまして地獄と天国の中間にある、霊魂の住む場所を指します(参照こちら)。そして英語音声を聞くとわかるのですが、グリムがこの勝負の場所を正に「リンボ」だと言っているのですね。

つまり「三途の河原」で「リンボーダンス」と言うのは、「リンボ」で「リンボーダンス」というダジャレだったんですね(笑)。ただ日本人で「リンボ」なんて言っても、知っている人は少ないでしょうから、翻訳の段階で「三途の河原」と訳したのでしょう。更に言えば、厳密には「三途の河原」と「リンボ」は違う物なんですが、まあその辺り他にいい訳が無かったので、という事でしょうね。

「コンカルネ登場」
(原題:Evil Con Carne)

(あらすじ)
ヘクターコンカルネ、彼の今回の世界征服計画は「最後の審判デバイス」を使った物だ。これを使えば、世界中があっと言う間に瓦礫の山と化すのだ。

しかしすんでの所で、国際連盟のコマンド部隊にデバイスを破壊され、すっかり怒り心頭のヘクター。どれもこれも自分のボディであるボスコフが間抜けだからいけないのだ!と言うとボスコフをクビにしてしまい、自分は新しいロボットのボディを手に入れる。

ところがそこへコマンド部隊がまたもや侵入。ロボットの体を得たヘクターはこれをなぎ倒していくのだが・・・?


(解説)
というわけで、ヘクターコンカルネの登場です。「グリム」編の方と混乱しないように注意してください。

この話もパイロット版ですね。なので良く見るとキャラクターのデザインなどが微妙に違うのが解ります。一番違うのは、ガストリー博士でしょうか?この頃は随分と痩せていましたね。

そういうわけで今回の見所は、やはりヘクターを気遣うボスコフでしょうか?この二人(?)の間には何物にも変えがたい信頼関係が築かれているのがわかります・・・ってそうかあ(笑)?

ところで「イビル」編に出てくる「国際連盟」はなんで「連盟」なんでしょ?ちなみに今存在するのは「国際連合」でして、「国際連盟」は「連合」の前身で1946年に解散しているのですが・・・?

「死神とかくれんぼ」
(原題:Skeletons in the Water Closet)

(あらすじ)
爽やかな朝!ビリーのママがビリーを起こしに来た。しかしそこで不幸にもグリムと遭遇!すっかり驚いてしまうビリーのママ。

さらにはグリムがシャワーを浴びている所を見てしまったり、廊下を歩いている所を目撃してしまったりと、すっかりおびえてしまっているママ。だけどもビリーのパパはちっとも信じようとしないのであった・・・。


(解説)
というわけでビリーの家族が登場!なんですが・・・ラストを見ていただければ解るように、ビリーのママは遠い所へ行ってしまいました(笑)。果たして今後の登場はあるのでしょうか?

というわけで見所はママのおびえっぷりなんですが・・・でもちょっと待って。例えば「デクスターズラボ」とかでデクスターが恐竜とかを連れてくるじゃないですか?でもデクスターのママはそれを見ても知らん振り。全く驚こうともしないで、平然と過ごしています。そしてカートゥーンの場合だと、ほとんどの場合が同じ反応だと思うんですよね。むしろ今回のビリーのママのように、ちゃんと驚いたリアクションをするのって、ちょっと珍しいかも?そういった意味でも「ビリー&マンディ」って「新世代」のカートゥーンなんですね。

今回、個人的にお気に入りのシーン。グリムがシャワーを浴びているシーンで、グリムが口笛を吹いているんですが、その曲がなんと・・・「葬送行進曲」!さすが死神って感じですね(笑)。


第2話 「反対の日」
(原題:Opposite Day)

(初放送 2003.8.2)

(あらすじ)
マンディの家に遊びに行く、ビリーとグリム。しかしマンディの発言がどうにも理解できないグリム。それもそのはず、今日は「反対の日」なので、反対の事しか言ってはいけないのだ。

かくしてここにグリムの最悪の一日が始まるのだった・・・。


(解説)
「反対の日」ってのは、まあこの二人の中でだけの日なんでしょうね。エイプリルフールほどには知名度無いですし。

そんなわけで今回の見所は徹底的にイビられるグリムでしょうか?なんかもう見ていて同情してしまいたくなってしまいます(笑)。それにしてもこの二人、死神を手玉に取るなんて・・・。

そしてこのオチ、個人的には大好きです。グリム狂っちゃうし・・・(笑)。

「スカールの反逆」
(原題:Emotional Skarr)

(あらすじ)
夜中の二時にヘクターに叩き起こされるスカール将軍。世界征服のためとは言え、さすがにかなり不満があるようだ。

ヘクターの所へ来てみると、新型の巨大ロボットが完成したとの事。最初はロボットなんて・・・と思っていたスカール将軍だったが、実際に自分が操縦してみてかなりロボットが気にいった様子。

ロボットのテストをするヘクターとスカール。とその時、スカールの頭の中に「このままヘクターを亡き者にすれば・・・」という反逆心が浮かぶのであった・・・。


(解説)
野心家スカール将軍の活躍であります。こうして見ると、どうもスカールはただヘクターを利用し、自分が世界を征服しようと企んでいる節がありますよね。でもそれでいて鳩の世話をするなんて・・・。この辺りのキャラクター設定がまた上手いんですが。

というわけで今回の見所ですが、なんといってもヘクターを始末しようとするも、なかなかうまく行かないって所でしょうか?いかにもカートゥーンって感じで笑えます。

「モデルへの道」
(原題:Look Alive!)

(あらすじ)
する事が無くて暇なグリム。マンディ達の勧めもあり、仕事をする事に。

そして彼が選んだのは、なんと水着のファッションモデル!しかし当然上手くいくはずも無く、オーディションを落ちてしまう。そこでビリーとマンディがグリムにボディメイクをするのだが・・・。


(解説)
カートゥーンってのは、ブラックなネタが多く、特にこの「ビリー&マンディ」はかなりブラック度が高いと思うんですが、その中でも今回はかなり強烈。

新聞の死亡欄をチェックするグリム、骨のくせに水着モデルになろうとしたり、マンディ達によるボディメイクの協力を得た姿は特に・・・。もう言う事は無いですね!

さて今回のもう一つの見所は、「ビリーのボケっぷり」でしょうか?今回ビリーのボケが何気に充実しているんですよ。

釣りで見つけた「デレク」。「グリムは窓ガラスになりたいんだ」発言。妖精つかまえごっこ。そしてポップコーンを自分の顔にぶつけるに至っては・・・!やっぱり言う事はありませんね(笑)!!


第3話 「悩み深きグリム」
(原題:Mortal Dilemma)

(初放送 2003.8.2)

(あらすじ)
今日も今日とて、ビリーと共に朝食を取り、スクールバスまで一緒に行くグリム。さすがにそんな生活に嫌気がさし、元の死神としての生活を取り戻そうとする。

しかし人の良さ(?)が災いしてどうにも失敗ばかり。こうなったら心を入れ替えて善人になるしかない!グリムはそう誓うと人々の為に働こうとするのだったが・・・。


(解説)
グリムは元々死神だったわけなので、彼にとって地上での生活は退屈な物なのでしょう。仲間の悪魔からもバカにされているし。というわけで、今回の見所は心を入れ替え、善人になろうとするグリムでしょう。

だがしかしそう簡単に行くはずも無いのですが・・・。

ところで朝食のシーン、牛乳のパックを良く見ると「カウチキ」のカウの絵が描いてあります。まあ作者のマックスウェル・アトムスは「カウチキ」も手がけていたそうですからなんでしょうけど。・・・って事はこの牛乳はカウのミルク(笑)??

「コンカルネ再出発」
(原題:Evil Goes Wild)

(あらすじ)
今日も今日とて世界征服を企むヘクター。だがしかし部下である兵士達が全員逃亡してしまい作戦は失敗。彼は森林公園へと墜落してしまうのだった。

そこでパークレンジャーに捕まり、檻に入れられるヘクターとボスコフ。だが同じ檻にいたクマ達は自ら武器を手に取り、ランチバスケットを手に入れる計画を立てるほどの兵達であった。

そこでヘクターはボスコフを通訳に使い、彼等クマを統率。新しい軍団を組織し再出発を誓うのだった・・・!


(解説)
今回の見所はやはり「クマ軍団」でしょうか?なんといいますか、同じハンナ・バーベラの「クマゴロー」や「クマくんトリオ大脱走」を彷彿とさせるクマ達であります(笑)。しかも狙うのがランチバスケットなだけに、余計にそんな感じがして仕方ありません・・・。

ところでヘクターとボスコフの体ってどういう風に繋がっているのでしょうか?今回麻酔弾を撃たれてしまい、ボスコフとヘクターは眠ってしまうわけですが、という事はボスコフとヘクターの体は繋がっている事になります。でもヘクターの意思ではボスコフの体は動かせません。なんで栄養とか血液とかそういった部分だけが接続されているのでしょうね、きっと。

「乗り移られて」
(原題:Get Out of My Head)
 
(あらすじ)
テレビでB級ホラーを見ているグリムとビリー。ビリーはその番組を見て、グリムに「誰かに乗り移る事って出来る?」と聞く。もちろんそんな事はグリムにはお茶の子さいさいで、ビリーにもそのやり方をレクチャーする。

乗り移り方を教わったビリーは、早速マンディに乗り移る。そしてビリーはマンディの体を使い、やりたい放題の事をやるのであった・・・。


(解説)
マンディは怒らせると怖い、という話であります(笑)。

まあそういうわけで今回の見所は、マンディに乗り移ったビリーの行動でしょうか?もうとにかく「やりたい放題」なわけですが、この行動は彼にとっては「当たり前」の行動なのかも知れませんね(笑)。

個人的にお気に入りなのが、グリムに乗り移られた猫。あの目つきは・・・ちょっとやばいっす(笑)。


第4話 「勝利の香り パート1」
(原題:Smell of Vengeance (1) )

(初放送 2003.8.3)

(あらすじ)
ガストリー少佐の新しい世界征服デバイス、それはものすごい強烈なニオイを撒き散らす、「クサイ光線銃」である。ヘクターはそれを使い、早速世界中の都市に対し攻撃をしかける。カンサス・・・東京・・・パリ・・・。

そして国際連盟に対し、大金を要求するヘクター。この事態を打開すべく、連盟は「あの男」に任務を依頼するのであった・・・。


(解説)
今回は「イビル編」が二本、「グリム編」が一本というカップリング。結構変則的なので注意してね!

今回の見所は、まずは冒頭のヘクターの起床シーンでしょうか?妙に生活感あふれるテイストに仕上がっていますが、そこがまた笑える所。特に妙に潔癖症なヘクターがおかしくってたまりません。

シャワーのシーンは特にブラックですね。ヘクターは脳味噌なのに、体を洗うブラシに間違われるとは・・・!でもそのセンスがいいですよねえ。

それからもう一つの見所が、クサイ光線銃による世界攻撃のシーン。ここで東京が出てくるんですが、通常今までのカートゥーンにおける日本描写というのは、まあ間違っているのが当たり前、いわんや日本語なんか・・・。という感じだったんですが、今回における日本の描写は、今までのカートゥーンとは違い実に正しい日本!しかも書いてある日本語が正しいんですよ、これがまた!!いやあビックリしました(笑)。まあそれでも日本には「ロボット」と「怪獣」は欠かせないみたいなんですけどもね。

ところで今回の話には面白い裏話が一つ。クサイ光線銃を使ってヘクターが最初に攻撃をする街は「カンサス」なんですけど・・・これ、実は当初は「ニューヨーク」だったらしいんですね。だけど例の9.11テロの影響でニューヨークが使えなくなり、それで代わりにカンサスを・・・となったそうです。こんな所にもあのテロが影響を及ぼしているんですね。

「死神と友情」
(原題:Fiend Is Like Friend w/o the "r")

(あらすじ)
ビリーがお気に入りの「ダイノボノイド」で遊んでいると、突然地面に穴が開きビリーはその中から伸びてきた触手に捕まってしまった!

一方ビリーを探しに来たグリムとマンディも同じ触手に捕まって地球の中心の世界へ。

そこにいたのはナーゴル。彼はグリムとビリー、マンディのやり取りをずっと見ていて、そして自分もビリーとマンディの友達になりたいと思い二人をさらったのであった。

それを聞いて喜んだグリム。厄介払いとばかりに二人をナーゴルに押し付けてしまうのだった・・・。


(解説)
グリムとビリー、マンディの友情の話・・・のはずなんですが、グリムがナーゴルに二人をあっさりと差し出すあたり、一筋縄では行きませんね(笑)。そんなグリムの心境の変化が今回の最大の見所でしょう。でも、きっとグリムは後悔しているはずです(笑)。

ちなみに今回登場したナーゴル(Nergal)はこちらのページを参照していただければわかるんですが、アッカドの神話にて冥界で暮らしている神様の事ですね。

個人的に今回のツボは、ビリーが穴に落ちたと知った時の二人の反応でしょうか?そのリアクションでいいのか(笑)!?

「勝利の香り パート2」
(原題:Smell of Vengeance (2))

(あらすじ)
ヘクターによるクサイ光線銃を使った作戦は順調に進んでいた。しかしその頃、バニーアイランドに侵入してくるナゾの影。そう、彼こそはかつてヘクターを脳と胃だけにした張本人、コッドコマンドーだったのだ!

かくしてここにコッドコマンドーとヘクターの因縁の戦いが幕を上げたのであった・・・!


(解説)
てなわけで続きであります。今回の見どころはもちろん、コッドコマンドーとヘクターの因縁の対決でしょうか?正にアクション巨編といった感じがしますね。

しかしこのコッドコマンドー、ただの魚なのに異様に強い!まあだからこそ、ヘクターの肉体を破壊できたのでしょうが・・・。この因縁からして、どうやら彼には再登場が期待できそうですね。果たして決着はつくのか・・・?