おくびょうなカーレッジくん全話ガイド3



第9話 「水たまりの魔女」
(原題:Queen Of The Black Puddle)


(あらすじ)
ある雨上がりの昼下がり。カーレッジがふと庭に出来た水たまりを覗き込むと、なんとそこには魔女の姿があった!驚いたカーレッジは、ミュリエル達に知らせようとするのだったが、いつもの事ながら信じてもらえない。

ところが魔女は水のある所にことごとく現れると、なんとユースタスを誘惑し始めた!そしてとうとうユースタスは魔女と共に水の中へと入っていってしまう。

ユースタスがいなくなり、悲しみにくれるミュリエル。それを見たカーレッジは、(本当は嫌だけど)ユースタスを取り返すべく、水たまりの中へ飛び込む事を決心。だがしかし水たまりは、どんどんと小さくなっているのだ!このままでは二度と戻ってこれなくなってしまう!どうなるカーレッジ?


(今日のゲスト)
水たまりの魔女
(解説)
今回登場した水たまりの魔女のように、男性をたぶらかし誘惑する女妖怪は、それこそ全世界に伝説が残っています。有名な所では、サキュバスとかがそうですね(ちなみに男性の妖怪で、女性を誘惑するのをインキュバスと言います)。まあこの辺り、深く追求すると「オトナの時間」になってしまいますので、さらっと流しますが(笑)、そう考えると今回の魔女が「水たまり」など「水」に関係する所に現れる、というのはなかなか象徴的な物があります(だから深く追求しないように)。

さてそんなわけで今回ユースタスがさらわれてしまうわけなのですが、それを知り悲しむミュリエルが印象に残ります。ただ普段の印象からすると、ユースタスはとんでもない男で、ミュリエルやカーレッジに対していじわるばかりしているような気がします。それならばミュリエルは、ユースタスがいなくなって喜んでもいいのでは無いでしょうか?

どうもミュリエルは実に上手に「現実」を受け入れられる人なのでは無いかと思います。「夢」や「理想」を追い求め、高望みをするのもいいけれど、ちょっと立ち止まって周囲を見回した時、実は本当の「幸福」はそこにあるのかも知れません。そしてミュリエルは、そんな「小さな幸せ」を手に入れているのです。確かに収穫も大して無い農場で、頑固な旦那様と犬一匹とで暮らしている、いわば寂しい生活なのかも知れませんでもミュリエルはその生活が自分の「身の丈にあった生活」だと理解し、受け入れているのでしょう。そして受け入れる事で、彼女は「幸福」を手に入れているわけなのです。

「死んでもシネマ」
(原題:Everyone Wants To Direct)
 
(あらすじ)
ある夜、カーレッジの家にタランテーラという映画監督がやって来た。彼の話では、この農場で映画を撮影したいので、是非ユースタスやミュリエル達にも協力してほしいとの事。ギャラも出るという事で、ユースタスも快く協力を引き受けたのだが、実はそのタランテーラという男は、ゾンビだったのだ!

そうこうしている内に、撮影はスタート。「ゾンビが甦る」という、なにやら意味深な映画である。カーレッジはなんとか阻止しようとするのだが、ミュリエル達は解ってくれない上に、タランテーラに阻まれどうにも上手くいかない。

さらにパソコンで調べた所、どうやらタランテーラが、かつての相棒フォルクハイムのゾンビを甦らせようとしている事が判明!なんとか撮影を止めないと・・・!


(今日のゲスト)
タランテーラ、フォルクハイム、パソコン
(解説)
映画監督ゾンビ、タランテーラの登場です。そもそも「映画」と「ゾンビ」では接点が少ないように思いますが、実は「ゾンビ」が広まったのは、もともとホラー映画のおかげなので、まんざら関係が無いというわけでは無いのです。それに本来のゾンビは映画に出てくるゾンビとは、また違った物ですからね・・・。しかし人間に変装するのに、「鼻めがね」を使っているのが・・・実にカーレッジらしいですよね。

というわけで見所は、やはり映画撮影のシーンでしょう。何も気付かないミュリエルとユースタスが滑稽に見えますが、状況を考えるとあまり笑っている場合では無いというのが解ると思います。


(今日のギャグ)
今回のラストでカーレッジが「鼻めがね」をつけて、「サヨナラサヨナラ」と言いますよね?実はあの「サヨナラ」は、映画評論家 「淀川長治」さんの口癖として有名なセリフです。リンク先に写真が掲載されていますので 見ていただくと解るのですが、ちょっと「鼻めがね」をつけたカーレッジに似ていますよね?

第10話 「地球最後の雪だるま」
(原題:The Snowman Cometh)


(あらすじ)
北極へとリゾートにやってきたカーレッジご一行。ところがその誰もいないはずの大地に、カーレッジは雪だるまを見つける。さらになんと、その雪だるまが突然動き出したのだ!

その雪だるまにもかつては仲間がたくさんいた。だが地球が暖かくなりすぎたせいで、皆溶けてしまったのだ。そして今では彼が地球最後の雪だるまだったのだ。

その雪だるまは自分が溶けないように、人間から「溶けない遺伝子」を抽出し、それを自分に組み込もうと企む。そしてその標的に選ばれたのが、ユースタス、そしてミュリエルだったのだ!果たしてカーレッジは二人を救い出せるのだろうか・・・?


(今日のゲスト)
雪だるま
(解説)
今回出てくる雪だるまは、確かに可哀想な境遇です。地球が暖かくなったため(地球温暖化の事?)、仲間を全て失い、そしてこのままでは自分も溶けて無くなってしまうのですから。ただ、彼が取ろうとした方法は確実に間違っていますけどもね。

それにしても、ミュリエル達は何故北極などへリゾートに来たのでしょうか?ユースタス達の反応を見ていると、どうやら今回のリゾートはミュリエルが企画した物かも知れません。前回も書きましたが、ミュリエルは「現実を受け入れる」事に長けている女性です。そしてその「受け入れた現実を楽しむ」天才といってもいいでしょう。こんな北極の地へ来てまで楽しく振舞うなんて、なかなか出来る物ではありません。

今日の見所は、やはり雪だるまとのチェイスシーンでしょうか?雪山という舞台設定が巧みに利用されていますね。


(今日のアホ)
あまりの寒さにユースタスが一言・・・
「アホな寒さだ!」
なんかもう寒さが伝わってくるセリフですね。

(今日のダジャレ)
今回もまた敵である雪だるまがダジャレを連発。それも雪だるまらしく、「雪」にちなんだ物ばかり。
行きあたりばったり」
行きづまった」
行きだおれ」
行きずりの人間」
などなど・・・。

そしてカーレッジも負けずに
「僕はミュリエルを愛す!」
「氷」で返す所が憎いですね。
またカーレッジは他にも
「飛びます飛びます」
を披露。このギャグは「コント55号」の、坂上二郎さんの一番得意とするギャグですね。

「ママになったユースタス」
(原題:The Precious, Wonderful, Adorable, Loveable Duckling)

(あらすじ)
ある日、カーレッジが拾ってきたタマゴ。そこから生まれたのは、アヒルの赤ん坊だった。

ところがこのアヒル、どういうわけかユースタスになついてしまい、やたらとユースタスにサービスをする。それだけならいいのだが、このアヒルはカーレッジやミュリエルを貶めようとしているのだ!

そしてついに、アヒルはミュリエルの存在を消しにかかった。どうなるミュリエル?どうするカーレッジ??


(今日のゲスト)
アヒルの子供
(解説)
一般的に鳥類などには、タマゴから孵って最初に見た物を「親」と思い込む修正があります。これを「刷り込み」といいます。もちろん普通の状態では、タマゴから孵って最初に見る物は母親なのでいいのですけど、そうでない物を見てしまった場合は、なにかと大変なのです。例えば天敵であるはずの山猫なども親と思ってしまう事だってあるわけです。今回のお話は、そんな所がヒントになっているのでは無いでしょうか?

ユースタスをママと思うだけならまだしも、ユースタスのイジワルがこのアヒルにも移ってしまった様子。カーレッジやミュリエルが何かするにつけ、それに対して嫉妬し対抗してきます。もちろんそれをカーレッジ達から見れば、とんでも無い行為なのですが、このアヒルにとっては、カーレッジやミュリエル達がユースタスに何かする事の方が、「とんでもない事」なのでしょう。まさに「愛は盲目」というヤツですよね。

そんなわけで、今回はこのアヒルの行動が見所です。見た目はかわいいんだけども、ちょっぴり恐ろしくなるお話です。


(今日のギャグ)
カーレッジがふっとばされた時に、良く発する
「あっいっうっえっお!」
というギャグがありますよね。それはこの話から登場してきます。これはもう後には、定番とも言えるギャグに発展するのですが・・・。

第11話 「ひきつるひき肉」
(原題:Heads Of Beef)


(あらすじ)
ミュリエルが高熱を出し、寝込んでしまった。このままでは晩メシが作れない!そこでユースタスとカーレッジは、晩メシを食べに町へと出る。

二人が入ったのは、激安ハンバーガーの店。ユースタスはハンバーガーに舌鼓を打つが、カーレッジはなにやら落ち着かない。それもそのはず、トイレへ入った客がいつまで待っても戻ってこないし、あげくの果てに店の主人がその客の荷物を片付け始めたのだ。

ただならぬ気配を感じ、カーレッジは店の地下室へと降りていく。そこで見たのは、主人とおカミがさきほどの客の頭の形をした物を、食べてしまうところ。このままでは自分たちも食べられてしまう!そう思ったカーレッジは、なんとか店から脱出しようとするのだが・・・。


(今日のゲスト)
ハンバーガー屋の主人(ジャン・ボー)、店のおかみさん、老人(客)
(解説)
今回のお話は、かなりサスペンス調。でも「おくびょうなカーレッジくん」としては、ちょっと異色作の部類に入ります。何故かと言いますと、オチをばらす事になるのですが、このおかみさん達がいじっていた、客の頭と思しき物体。これは実はおかみさんがひき肉で作った、頭の形をしたハンバーグなんですね。そしてそれをお客さんに食べてもらうのが、この人の趣味なのです。つまり今回は、全部カーレッジの「勘違い」なのですね。そういった意味では、まさに「おくびょうな」カーレッジだと言えるでしょう。

見所としては、やはりカーレッジのおびえっぷりでしょうか?特にこれがカーレッジの「勘違い」であるという事を踏まえて見ると、また違った面白さが味わえます。


(今日のダジャレ)
今回のタイトルは「ひきつるひき肉」。「ひき」がダジャレになっていますね。そろそろサブタイトルにダジャレネタが出始めてくるようです。そういえば次のお話のサブタイトルも・・・?
「化け化けバケーション」
(原題:Klub Katz)

(あらすじ)
カーレッジ達は、船によるクルーズに出かけた。ところが船は津波で沈没。カーレッジ達はどことも知れない孤島へと漂着してしまったのだ。

ところがそこへ現れたのは、あのキャッツ!キャッツはこの島でクラブを経営していると言うと、ミュリエル達をクラブへと誘うのであった。だが実はそれが罠であったのだ!

キャッツは人間を「物」へと変身させていたのだ。そしてお互いを戦わせ、自分はそれを見て楽しんでいるのであった。そしてミュリエルは洗濯機に、ユースタスは解体クレーンにそれぞれ変身させられてしまう。カーレッジは二人を助けようとするのだったが・・・。


(今日のゲスト)
キャッツ、船長
(解説)
カーレッジ最大のライバル、キャッツ再び登場であります。今回もまた実に狡猾で残忍な作戦でミュリエル達に迫ってきますね。

やはり今日の見所は、洗濯機ミュリエルと解体クレーンユースタスのバトルでしょうか?しかしキャッツは人間を「モノ」に変えて、一体何を企んでいたのでしょう?ただバトルを楽しんでいただけなのでしょうか?それとももっと別の目的が・・・?その辺りの底の知れない恐ろしさが、キャッツというキャラクターの魅力でもありますね。


(今日のギャグ)
自動販売機にされた船長から出たジュースを飲み干すカーレッジ。そして一言
「勇気一発ー!」
これはまあ今更説明の必要も無いと思いますけど、「リポビタンD」のCMのセリフですよね。「ファイト一発ー!」てなもんです。

第12話 「チキンの逆襲」
(原題:Revenge Of The Chicken From Outer Space)


(あらすじ)
ある夜、町では人形などの「首」がもがれる、という事件が多発していた。その犯人はなんとUFO!そしてそのUFOの次のターゲットは、カーレッジだった!

ついにカーレッジの前にUFO出現!そしてUFOから出てきたのは、かつてカーレッジと闘い、ローストされたはずの、宇宙ニワトリだった!そう、彼はカーレッジを逆恨みし、復讐にやってきたのだ。そしてカーレッジも自分と同じく、首をもいでやろうと企んでいたのだ!

ニワトリはまずミュリエルを拉致すると、UFOの中に閉じこもった。しかしカーレッジの作戦でなんとかミュリエルを取り返すも、ニワトリは今度はユースタスの首を奪い自分の首とし、カーレッジ達に襲い掛かってきたのだ!!危うしカーレッジ!


(今日のゲスト)
宇宙ニワトリ(ローストバージョン)、少女、女性、警官
(解説)
サブタイトルが「チキンの逆襲」。という事は、今回登場した宇宙ニワトリは以前に登場していた、という事になります。でも今までのエピソードガイドを見ていただければ解るのですが、彼が出てくるエピソードはどこにもありません。それでは何故「逆襲」??

実は今回登場した宇宙ニワトリが登場するのは、「おくびょうなカーレッジくん」のパイロット版でもある、「宇宙ニワトリの侵略」というお話なのです。詳しくは別ページを参照 していただければいいのですが、念のためこちらにも書いておきます。

そもそも「おくびょうなカーレッジくん」は、カートゥーンネットワークの「カートゥーンカートゥーンズ」という枠に入っています。そしてこの枠は、文字通り様々な番組の「勝ち抜き」となっています。新人に作品を作らせ、その中で面白かった物を視聴者投票で決め、好評だった作品をレギュラーとして制作する、というシステムを取っています。もちろん「デクスターズラボ」や「パワーパフガールズ」なども、そこを勝ち抜いてきました。そしてその「宇宙ニワトリの侵略」は、まさにその「勝ち抜き」の時のエピソードだったのです。

これは今見ると、かなりキャラクターのデザインなどが違いますし、雰囲気なども微妙に違います。また10分程度の短さのため、通常放送には組み込まれていません。ちなみに日本ではこの作品は、一時期「ホワット ア カートゥーン」枠で見れたのですが、現在では放送されていないようです。もしどうしても見たいという方がいらっしゃいましたら、 こちらをクリックしてください。海外のサイトなのですが、「宇宙ニワトリの侵略」の動画を見る事が出来ますので。ただかなり重いので、注意してくださいね!

さてそういうわけで今回の見所なのですが、やはりニワトリとカーレッジの追いかけっこでしょうか?今回ばかりは、カーレッジもひたすら逃げまくるしか無いようですね。

特に印象的なのはミュリエルでしょうか?いつもミュリエルはそばで何が起こっても、気付かずにのん気にしているのですが、今回はニワトリに頭をもがれそうになった後遺症でしょうか、その「のん気」に拍車がかかっています。カーレッジ達の緊迫した追いかけっこと、ミュリエルののん気さが、いい感じのコントラストとなっていますね。

それからニワトリが武器として使用していた「トイレのカッポン」ですが、あれは正式名称を「通水カップ」といいます。いやあ勉強になりますねえ(笑)。


(今日のギャグ)
カーレッジがUFOを見た事を、ミュリエルに伝える時に
UFO!
と言いますが、これは往年の人気アイドル「ピンクレディー」の名曲、「UFO」の出だしの部分ですね。そんな事にも詳しいか、カーレッジ(笑)。
「ナスがまま!?」
(原題:Journey To The Center Of Nowhere)

(あらすじ)
突然の日照りで、農場はすっかり水不足。井戸も干上がってしまった。ユースタスに命じられ、井戸を掘るカーレッジ。一方ミュリエルはただ一つ実をつけた「ナス」をどう料理しようか、思いを巡らせているのだった。

ところがそのナスは、地底に住まう悪いナス達の偵察機だった。ナス達はナスを料理しようとするミュリエルを攻撃するべく、準備を着々と進めていた。

それを見てしまったカーレッジ。ナスの着ぐるみをかぶり、ナス達の所へ降りていき、ミュリエルを攻撃しないよう誘導するのだったが、作戦は失敗。ついにナス達のミュリエルへの攻撃が始まってしまった!!


(今日のゲスト)
マーボーナス、ナスヅケ、ナス軍団
(解説)
「おくびょうなカーレッジくん」の中でも、特に人気の高い「ナス」がついに登場です。

なにしろこの回は、ナス達のセリフも秀逸。語尾に「〜ナス」と付けたり(一体どこの出身やら・・・)、ナス関連のダジャレを連発してくれるといった有様。いよいよ「ダジャレカーレジ」が本格的に始まったと言ってもいいでしょう。

そのナス達のキャラクターもさる事ながら、本編中に出てくる、ナスの着ぐるみを着たカーレッジもまたポイント高し。これがまた特に「可愛い」と評判の様子です。

そんなわけで、今回はもはや説明不要のお話、全編まさに見所!と言ってしまっていいでしょう。どうぞごゆっくりとカーレッジワールドを堪能してください。

ところで今回出てきた、ナスのリーダー、マーボナス。この声、どこかで聞いた事あるような・・・?実はこの声は、「ビリー&マンディ」でヘクターをやられている広瀬正志さんが担当されています。まさに悪のボス!といった凄みを抑えつつ、とぼけた感じを出された、ハマリ役だと言っていいでしょう。