KNDハチャメチャ大作戦全話ガイドスペシャル



映画 「オペレーションZ.E.R.O.」
(原題:Operation:Z.E.R.O.)

(初放送 2007.9.22)
STORY : Mo Willems , Mr.Warburton with alison wilgus
SCREENPLAY SPECIALISR : Mo Willems
STORYBOARD : Guy Moore , Matt Peters , Kim Arndt

(あらすじ)
昔々、世界が邪悪な大人に支配されていた時、子供達を大人の支配から解放した英雄がいた。彼の名は「ナンバー0」。彼の偉業は、いまや伝説となって語り継がれている…。

時は流れ現代。KND博物館とKND月面基地が、同時に悪い大人達に襲撃された!ナンバー1率いるセクターVの面々は、ナンバー362の指示を聞かずに、KND博物館へと急行する。

博物館とそこの館長のナンバー101のピンチを救ったセクターVの面々は、休む間も無くKND月面基地へと急行。ナンバー1の機転により、大人達を追い払うのだった。だがナンバー362は、命令を無視したナンバー1を叱責するのであった。そこへ博物館のナンバー101から連絡が入り、伝説のナンバー0が作った「KND復帰モジュール」を、大人達が奪っていった事が判明。責任を感じたナンバー1は、またもや単独で飛び出していってしまうのだった。

大人達の裏で糸を引いていたのは、ファーザーだった。ファーザーは、自分の父親グランドファーザーに過去の記憶を甦らせようとしていた。グランドファーザーこそは、かつてナンバー0に破れはしたものの、世界を支配していた悪の帝王だったのだ!そしてナンバー1の油断から、グランドファーザーの記憶が甦ると、彼はファーザーを追い出し自らが再び悪の帝王となったのだ。

グランドファーザーはその魔力で、子供達と大人達を忠実なる下僕である高齢者ゾンビへと変身させていった。KNDのメンバーも、一人また一人とゾンビにされていってしまう。このままではKNDの全滅は時間の問題であった。その頃、一人難を逃れたナンバー1は、ナンバー101の助言と、彼の発明した「KNDNA追跡機」を持って、伝説のヒーローであるナンバー0を探しに向かうのであった。

ナンバー1が「KNDNA追跡機」を元にたどり着いたのは、なんと自分の家であった!しかし家にいたパパ、モンティに聞いても、そのような人はいないと答えるばかり。そこへゾンビ軍団が襲ってきた。ナンバー1は、パパを助けるべく家の中を逃げ回る。しかしとうとう追い詰められてしまった、と思ったその時、ツリーの幹に隠し扉を発見し、パパと共にその中へ入っていくのであった…。

一方グランドファーザーも、ナンバー0を探していた。彼の持っている「KNDブック」は子供達に自分の弱点、「希望」を与えてしまうからだ。なんとかしてナンバー0とKNDブックを見つけ出すべく、ゾンビ達を総動員するグランドファーザーであった。

ナンバー0とはモンティ、つまりナンバー1の父親だったのだ!更にファーザーの本名がベンで、実はモンティの弟、つまりナンバー1の叔父さんにあたる事、またおすましキッズの正体は行方不明になっていたセクターZのメンバーが洗脳された姿であった事など、多くの衝撃的事実が明らかになっていく。そしてナンバー1とナンバー0はベン叔父さんとセクターZの協力を得て、グランドファーザーを倒すための作戦を実行に移すのであった!

果たしてナンバー1は、グランドファーザーに勝利できるのであろうか…?
(今日の敵)
グランドファーザー、高齢者ゾンビ軍団
(解説)
KNDの長編エピソードです。KND伝説のメンバーである「ナンバー0」と、彼に憧れヒーローになろうとするナンバー1が主役のエピソードです。内容は、とにかく「盛りだくさん」の一言です。登場キャラクターも、KNDのほとんどのメンバーと、悪い大人達のほとんどのメンバーが登場。マイナーなキャラでさえも、画面の隅っこにちょこちょこと登場したりしています。ファンにとっては、それらを探すだけで楽しいのです。ただしリジーやムシ、ハインリヒなどKNDでは無い子供は、今回は登場していません。

以前のエピソードでは「謎」だった箇所が、一部明らかになるのも今回のポイントでしょうか。例えば26話でセクターVの記憶が失われましたが、それを元に戻したのが今回登場したKND復帰モジュールであったり、またおすましキッズの誕生日が一年に複数回あるのも、彼らがセクターZであり、本当の兄弟では無いからなのです。以前のエピソードでの話やアイテムなどが、ちょこちょこ登場してくるので、それを見つけるだけでも充分楽しいでしょう。

さて今回のエピソードの中核となるのは、なんと言ってもナンバー0=ナンバー1の父親モンティでしょう。父と息子が共通の敵と戦う、というシチュエーションはいやがおうにも興奮するシチュエーションだと言えます。またパパの正体を皮切りに次々と明らかになるファーザーやおすましキッズの正体などは、実にKNDらしい先の読めない展開だと言えるでしょう。話がずれましたが、とにかくこの映画の主役はナンバー1だと言えるでしょう。それゆえに、他のセクターVのメンバーは少し出番が少なめですが、それでも一人一人にちゃんと見所は用意されています。

とにかく「面白い」の一語に尽きるこのエピソード。まさにKNDの集大成だと言ってもいいでしょう。

最終回SP 「最後の任務を語れ」
(原題:Operation: I.N.T.E.R.V.I.E.W.S.)

(初放送 2008.9.2)
STORY : Mr.Warburton Andy Rheingold
STORYBOARD : Guy Moore , Maurice Fontenot , Jesse Schmal
with anthony davis , bob suarez , abigail nesbit

(あらすじ)
今では大人になってしまった、かつてKNDのセクターVのメンバー、ナンバー2、ナンバー3、ナンバー4、そしてナンバー5の面々が集められた。彼らは一時的にKNDの時の記憶を戻されると、自分達の最後の任務について語り始めた。そう、ナンバー1が行方不明になってしまった、あの任務だ。

おすましキッズのバースデーケーキを奪わんとする、セクターVの面々。しかし度重なる失敗のため、任務をナンバー363率いる、セクターWに移されてしまう。しかしふとした事から、ケーキはおすましキッズからナンバー74.239の手に渡ったと知った面々は、おすましキッズのケーキを奪うために、探し物競争に参加する事となった。

探し物競争は、他のKNDメンバー、更には悪い大人達も含めての一大バトルとなった。ナンバー363の出現で自信を失いかけていたナンバー1であったが、仲間達の叱咤激励を受けて自信回復。競争に参加するのであった。そんな中、ナンバー363達が、高得点であるファーザーのパイプを手に入れようとしている事を知ったナンバー1達は、ナンバー363を止めに行った。

ナンバー363は、任務のためなら仲間のKNDメンバーも見捨てる、卑怯者であった。ファーザーの猛攻から命を救われたセクターWのメンバー、ソニアは363にリーダーの資格無しと糾弾し、全ての得点をナンバー1に譲る事とした。同じ頃、悪役から全ての得点を奪ったおすましキッズ達が、ケーキを手に入れんとしていた。今ここに、ナンバー1とおすましキッズの最後の戦いが始まる…!

しかし物語は、そこで終わりでは無いのだ…。
(今日の敵)
悪人軍団、ファーザー、おすましキッズ
(解説)
今回は1時間の長編エピソードにして、この「KNDハチャメチャ大作戦」の、実質的最終エピソードになります。果たしてKND最後の任務とは?そして消えたナンバー1の行方は?全てが気になる所ですよね。

思えばKNDの第一話は、おすましキッズのケーキ争奪で始まったのですが、最後もやはりケーキ争奪なのですね。またそれだけでは無くて、今まで登場した悪役、KNDメンバーなどが登場するのですが、やはり彼らの活躍場面を思い出さずにはいられません。そういった意味では、実に「最終回」らしい「最終回」になっている、と言う事が出来るでしょう。そしてカートゥーンでは、このようにキッチリとした最終回が作られるのは、かなり珍しい事でもあります。

もちろん先の読めない、スピーディーな展開はいつものKNDそのままです。また実写で登場する未来のセクターVの面々ですが、どれもなかなかイメージに近い人を揃えてきています。こういうこだわりが随所に盛り込まれていて、まさにファンにとっては、最高の最終回だと言えるでしょう。

そしてラストシーン。あまり多くは語らないのですが、とてもいいラストなのは間違いありません。どことなく「パーマン」の最終回も彷彿とさせるのが、ちょっと不思議な感じですが。

KNDは、今では珍しくちゃんと「子供の方向」を向いて作られている作品だと言えるでしょう。子供の喜びそうな事、子供が好きそうな事が、きちんと描かれています。本当に子供だけを対象にしているんだと言えるでしょう。だからこそ、最後のナンバー1のセリフが胸に染みてしまうのです。

KNDを制作してくれたスタッフの皆様、また吹き替えを担当してくれた日本のスタッフの皆様方、本当にありがとうございました。そしてお疲れ様でした!