サムライジャック全話ガイド9



第33話 「エピソード33」
(2005,5,17初放送)

(あらすじ)
長い旅路の果て、ジャックがふと立ち寄ったオアシス。ジャックはそこで青い大きな生物と出会う。どうやら「そいつ」はジャックを気に入ってしまったらしく、ジャックの後についてくる。ジャックは、最初こそ疎ましく思っていたものの、いつしか愛着が沸くようになり、この奇妙な同行者との旅を楽しむようになっていた。

だがしかし、念願叶って発見した過去へ帰れるクリスタルを、「そいつ」が破壊してしまうジャック。怒ったジャックは「そいつ」を置いて、一人旅立ってしまうのだった。

再び一人で旅立つジャックだったが、そこへ四人組の賞金稼ぎが襲ってきた!


(解説)
えーっと…ぶっちゃけ「となりのト○ロ」なわけだよデザインがさ、な。実は「となりのトト○」見た事無いんで、それ以外の部分でパロディとかあるのかどうなのか、良く解りません。まあそういう事です。

それ以外に見所は…今回はジャックの表情がコロコロ変わって、見ているだけで面白いですね。特に怒ってムッとするジャックは、普段なかなか見せない表情ですよね。
そういえば今回セリフのある登場人物はジャックしかいませんね。こういう作品も、今時珍しいかも知れませんけど、その分お話に集中できていいですよね。


第34話 「エピソード34」
(2005,5,24初放送)

(あらすじ)
ジャックは時間移動の鍵を握ると噂の人物、沼に住む隠者を尋ねた。その怪しげな隠者が言うには、時間移動にはタイタンの巨人の力が必要だと言う。すなわち時間と空間の神、クロノスが持っていた三つの宝玉である。

早速隠者と共に、宝玉を探し出す旅に出るジャック。数々の苦難を乗り越え、ジャックは順調に宝玉を集めていく。だがしかし、その隠者こそは実はアクだったのだ。そう、例によって例のごとく、今回もアクの罠だったのだ!
(解説)
そういうわけで今回もアクの罠であります。しかも罠である事は、早々に視聴者に解るようになっています。なので完全に「志村ー後ろ後ろ!」状態なのであります。
確かにジャックの魅力の一つに、この誰でも簡単に信じてしまう、純粋さが挙げられるんですが、ただしかし、ジャックもそういつまでも騙されてばかりいられないですよね。ここら辺で、精神的成長を遂げてほしいとは思うのですが、果たして…?

さて今回はギリシャ神話がモチーフ。 エジプト神話や北欧神話から題材を取っていた事もありますしね。しかしそう考えると、つくづくワールドワイドな作品だな、ジャックって。

そしてラストではまたもやアクとの一騎打ち!があるのですが…、アクの不死身っぷりに驚いたり。刀で真っ二つにされても生きているのであれば、一体どうやれば倒す事が出来るのか?などと心配してしまいます。

その秘密にはきっと、今回手に入れたクロノスの宝玉が絡んでくるに違いない!…と想像してみたものの、きっと次回では今回の宝玉の事なんか、すっかり忘れられてしまっているでしょうね。だってほら前回のトト○も、今回いなかったしさ。


第35話 「エピソード35」
(2005,5,31初放送)

(あらすじ)
夜の森の中、ジャックはふとした事から古城に迷い込む。だがしかしその古城は、なにやら怪しげな妖気を放っており、ジャックはしばしば幻影に襲われる。

ジャックはそこで一人の少女と知り合うが、彼女と共に城の中へ閉じ込められてしまった。仕方なくジャックは、古城で一夜を過ごす事となるのであった。

だがしかしやはり奇怪な出来事がジャックを襲うのであった…。
(解説)
今回はいわばサムライジャック版ホラーとでも言うべきお話でありましょうか。映像、雰囲気、音楽が最大限に恐怖を盛り上げてくれます。夜中に一人で見るのは、あまりオススメできませんね…。

さて今回特筆すべきは「映像」でしょう。本編途中にジャックの見る「幻影」として、インサートされる「墨絵」のような映像がとても印象的であり、かつ美しいです。そして後半では、その墨絵アニメがメインとなりバトルシーンとなります。この墨絵アニメは、白黒であるが故にどこか戦前などに作られたアニメを思い起こさせます。ですがそのおかげなのか、ジャック最大の魅力である「動き」がより強調され、いつもよりも迫力を持った殺陣シーンが展開する事となるのです。この一連のシーンの美しさは、もはや芸術の域に達していると言ってしまっていいのでは無いでしょうか?

こういった演出や美術設定の巧みさを見るにつけ、ゲンディ・タルタコフスキーという人物の才能の豊かさを感じてしまいます。そしてこういった才能がどんどん育っているという事実を考えると、やはり「日本のアニメは世界一!」と言っているのが、ただの「油断」に他ならないという事を、痛切に考えてしまうのであります。

第36話 「エピソード36」
(2005,6,7初放送)

(あらすじ)
深いジャングルの中を進むジャック。と突然ジャックの目の前に、少林寺拳法の修行僧が二人現れた。実はその少林寺は、かつてジャックが未来に飛ばされる前に、修行した事のある寺であり、ジャックと彼らはすぐに意気投合するのであった。
そしてジャックは少林寺に案内さた。そこで大僧正に会い過去へと戻る方法を聞きだした。大僧正によると、ここから北にある寺院にそれはあるという。だがしかし時間の穴は、太陽の高度が最も高くなる、ほんのわずかの間しか開いていないのだ。
ジャックは二人の修行僧と共に、寺院を目指すのであったが…。
(解説)
今回は少林寺、すなわち中国拳法が出てきます。この動きについても、映画などでじっくり研究したかと思えるほど、流麗な動きとなっていますね。こういう所が本作の魅力なのであります。そしてクライマックスでの石像とのバトルは、そうした中国拳法描写とあいまって、なかなかの迫力。

さて今回、ジャックにとっては懐かしい人が出てきます。かつて少林寺修行時代に一緒にいた童子が、今でも大僧正となって生き続けているわけです。しかし彼は既に老人(以上の存在)となり、ジャックは当時とほぼ変わらない年齢なのです。この辺り、ちょっとジャックの寂しさが伝わってくるシーンですね。
そしてラスト、ある意味「またもや」というパターンなのですけれど、でもやはりだからこそジャックらしいと言えます。こうした甘さ、いや優しさを持っているのが、ジャックというキャラクターの最大の魅力なのですから。