トランスフォーマーアニメイテッド エピソードガイド01

#1 #2 #3

「Transform and Roll Out!」

Written by : MARTY ISENBERG
Art Direction : DERRICK J.WYATT
Directed by : MATT YOUNGBERG , YUTAKA KAGAWA , MINORU YAMAOKA , MAKOTO FUCHIGAMI

あらすじ

地球を遥か遠く離れたサイバトロン星では、機械生命体であるトランスフォーマー達が暮らしていた。オートボットのオプティマス、ラチェット、バルクヘッド、バンブルビー、プロールの五人は、スペースブリッジの整備に明け暮れていた。そんなある日、スペースブリッジが暴走を起こし、そこから出現した岩の中から、彼らはトランスフォーマーの命の源、オールスパークを発見する。オールスパークは、かつて行われていたグレートウォーという大戦時に、ディセプティコンの手に渡らないようにするために、宇宙の彼方へと放逐されていたものだった。一体何故今オールスパークが戻ってきたのか?そしてそれと呼応するように、長らく姿を見せていなかった悪の軍団ディセプティコンが出現する。

ディセプティコンの攻撃からオールスパークを守るため、逃げ回るオプティマス達。ディセプティコンの大帝メガトロンは、直接オートボット達のスペースシップに乗り込んでくるが、スタースクリームにより仕掛けられた爆弾が爆発を起こす。そしてオートボットのスペースシップはオールスパークの光に包まれ、ワープを始めるのであった。

彼らが到着したのは、地球の上空であった。生きていたメガトロンはスペースシップに乗り込んでくると、オートボット達と戦いを始めた。辛くもメガトロンを撃退したオプティマス達であったが、スペースシップはそのまま、デトロイトのエリー湖に落下してしまう。一方のメガトロンもまた、頭だけとなり、とある若者に発見されていたのだった。

それから50年後。デトロイトはサムダック博士の開発したロボット技術により、ロボット産業の街となっていた。しかし博士が開発していたナノロボットが暴走し、ゴキブリがモンスターとなって暴れ始めた。その騒動の最中、エリー湖に沈んでいたオプティマス達が、眠りから覚める。彼らは地球の乗り物をスキャンすると、モンスターを退治するために出動した。その戦いの最中、サムダック博士の娘サリはバンブルビーと知り合い、親しくなるのであった。

やっとの思いでモンスターを退治するオートボット達。しかしプロールが負傷してしまったため、湖の底のスペースシップに修理に戻るオートボット。しかしバンブルビーは、こっそりとサリを連れてきていた。サリはスペースシップ内で、オールスパークと接触。その影響で彼女の持っていた「鍵」が形を変える。彼女は更にその「鍵」を、傷ついたプロールに差し込むと、命の光が溢れプロールの傷は、治ってしまったのであった。

サリを通じて、デトロイトに迎え入れられたオートボット達。彼らはレスキュー活動などを行い、街のヒーローとなっていた。そこへオールスパークのエネルギーを感知して、スタースクリームがやってきた。スタースクリームはサムダック博士やバンブルビーを人質にすると、オールスパークとの交換を迫ったのだ。この危機にオートボット達は、団結して立ち向かった。今まで以上のチームワークを発揮した彼らは、スタースクリーム相手に戦い、人質の救出に成功したのだ。しかし怒り狂ったスタースクリームが、オールスパークを強奪。そのパワーで、デトロイトの街の破壊を始めた。

決死の思いでスタースクリームから、オールスパークを取り戻そうとするオプティマスは、スタースクリームと空中戦を繰り広げる。オールスパークを取り戻したものの、オプティマスは高所から落下して、命を落としてしまう。しかしサリの必死の呼びかけに応えるかのように、オールスパークからオプティマスに命が与えられ、オプティマスは甦った。こうして彼らは再び、デトロイトの街での生活を始めるのであった。

しかしサムダック博士は、一つだけ隠し事をしていた。実は博士はメガトロンの頭を拾い、保管していたのだ。そう、まだメガトロンは死んではいなかったのだ…。

解説

いよいよ始まった、「アニメイテッド」です。このエピソードはナンバーとしては、#1から#3になるのですが、実際にはまとめて一本のスペシャルとして放映されました。そのためなのか、各エピソードの切れ目が解りにくいので、日本で放映する際には可能な限り3話まとめてのスペシャルとして放映していただきたいものです。

今回は「アニメイテッド」という作品の、全ての魅力が詰まった一本だと思います。過去作へのオマージュ、そして「新しい事をやってやろう」という熱意の部分、アニメーションとしての完成度、それら多くの要素がとてもバランス良く詰まっています。まさに「新しい時代のトランスフォーマー」にふさわしい、と言い切ってしまっていいでしょう。

オマージュの部分では、まず冒頭に流れる初代の映像、いかにもなスタースクリームのキャラクター造詣、オートボットのスペースシップ内でのメガトロンとの戦い、デトロイトで一瞬だけ出てくる、スパイク・カーリー・ダニエル親子などなど…とにかく挙げていくとキリがありません。スタッフが本当にトランスフォーマーが好きなのだなあ、というのが伝わってくるかと思います。

特にメガトロンを倒した後にスタースクリームが、自らがディセプティコンの新しいリーダーであると宣言するシーンがありますが、初代での彼の性格を踏まえた、屈指の名オマージュシーンだと言えるでしょう。

また「コード・オメガ」やセンチネルの嫌味な態度、メガトロンの頭など、後々のエピソードに対して、多くの伏線が張られている事に気づかされます。全エピソードを見た後に、またこのエピソードを見ると色々と発見があるでしょう。

こういう作品の場合、いかにして人間達に受け入れられるのか?という過程は本来ならば重要だと思うのですが、オートボット達は驚くべきほどあっさりと、人間社会から受け入れられます。それがカートゥーンのいい所でもあり、またそういった部分は本作ではさして重要では無い、という作り手からのメッセージなのでは無いでしょうか。