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「Human Error」
Written by : #37 HENRY GILROY , #38 TOM PUGSLEY
Art Direction : DERRICK J.WYATT
Directed by : #37 KALVIN LEE , CHRISTOPHER BERKELEY , NAOTO HASHIMOTO , #38 KALVIN LEE , YOSUKE HATTA
今宵はクリスマス・イブ。デトロイトの街も、すっかりクリスマスムードで彩られていた。しかしオプティマスには、気になる事があった。町中の至る所に、あのサウンドウェーブの写真が飾られていたのだ。実はそれはパウエルがサムダック社から権利を奪い取って、販売していた玩具であった。オプティマスがふと気づくと、小さなサウンドウェーブの玩具が歩いていた。その玩具に怪しい気配を感じたオプティマスは即座に追いかけるのであったが、そのサウンドウェーブは何処かへと姿を消してしまった。
基地へと戻ったオプティマス。オートボットの仲間達も、初めてのクリスマスを楽しんでいるようだ。サリの作った、特製ブレンドオイルで乾杯をする一同。しかしそのオイルには、小型サウンドウェーブが、何やら仕掛けをしているのであった…。オイルを飲んだ一同を、猛烈な眠気が襲い、パーティーは早々に切り上げられるのであった。
翌朝目覚めたオプティマスは、自分の体に起きた異変に気がついた。どういうわけかオプティマスは人間になってしまっていたのだ。それはオプティマスだけでは無く、他のオートボットも同様に人間になっていたのだ。五人は詳しい調査を行うべく、サムダックタワーに向かうのであった。しかしトランスフォームが出来ないため、徒歩でタワーに向かう一同。途中のハンバーガーショップでハンバーガーを食べるなど、人間の生活を楽しんでいたのだが、突如としてディセプティコン軍団が大挙して押し寄せる。その被害から逃げ遅れた人々を救うため、活躍するオートボット戦士。しかしやはり人間なので、どうしてもケガをしてしまうのだ。
その頃サリは、サムダック博士からクリスマスプレゼントとして、専用ジェットパックをもらう。早速オートボットに見せびらかしに基地へとやって来るのだったが、どこにも誰の姿も見当たらない。その時サリは、地下からコンドル型のロボットが飛び出してくるのを発見するのであった。
サムダックタワーへと急ぐオートボット。ようやくタワーに着いたと思ったその時、デトロイト上空にサイバトロン星が出現!タワーを破壊すると、メガトロンを始めとしたディセプティコン軍団が降下してくるのであった。さすがにこれはおかしい、と気づいたオートボット達。彼らは生身でディセプティコンを撃破すると、その疑惑が確信に変わる。彼らは今自分達がいる所は、何者かによって作り出された、仮想空間なのだと気づくのであった。
全てはサウンドウェーブの罠だったのだ。オートボット達のボディは基地の地下にあり、サウンドウェーブにより洗脳を受けているのであった。それを知ったサリは、仲間を解放するべくサウンドウェーブに攻撃を仕掛けるのであったが、一歩及ばなかった。勝ち誇ったサウンドウェーブは、更に洗脳電波を強めるのであった。
プロールがサイバー忍者の秘術を使い仮想空間から脱出するも、再びサウンドウェーブに捕らえられてしまう。更に一時は取り戻したロボットのボディも、再び人間の体になってしまう。オプティマス達は仮想空間から逃げ出すために、空間内で発見したサウンドウェーブを追いかけるも、逆に捕まり洗脳を受ける事となってしまった。
その頃サリは、サムダックタワーに戻ってきていた。サムダック博士に助けを求めるも、博士を始めとする人間は、既にサウンドウェーブにより洗脳が完了していた。サリは新たに助けを求めるため、エリー湖のダイノボットアイランドへと向かう。そこでサリは、漂着していたスクラッパー、彼に飼いならされたスナール、更に湖の底から甦ったレックガーを仲間にして、デトロイトへと戻ってくる。
サリ達の前に、洗脳されたオートボット戦士が立ちふさがった。サウンドウェーブの洗脳は、すでに完了していたのだ。両者の戦いが始まるが、やはりオートボット達に軍配が上がった。しかしオートボットを操っているのが、サウンドウェーブただ一人という事に気づいたサリは、スクラッパー、スナール、レックガーにバラバラに攻撃させて、サウンドウェーブの操作を分散させる事に成功。次々とオートボットを捕まえていった。
だがそれが裏目に出てしまい、サウンドウェーブはオプティマスの操作に集中できる事となってしまった。オプティマスがサリを狙い斧を振り下ろすその瞬間!プロールがサウンドウェーブを攻撃し、オートボットは洗脳の支配から免れたのだ。プロールはサイバー忍者の秘術で、自力で洗脳を解いたのだ。
洗脳が解けたオプティマスは、サウンドウェーブを打ち負かす。人々の洗脳も無事に解けるのであったが、サウンドウェーブの本体は、コンドルにより持ち去られてしまった。こうして事件は解決し、デトロイトに平和なクリスマスが戻ってきた。サウンドウェーブの作戦だったとは言え、はからずもオートボット達は人間の素晴らしさと弱さを、より深く理解することとなったのだ。
今回は海外アニメでは定番の、クリスマスネタですね。クリスマスらしく、多くのトランスフォーマー達が登場する、ちょっとスペシャル版のような雰囲気になっています。
さて今回はオートボット達が人間になってしまいます。「トランスフォーマーが人間になる」と言えば、真っ先に思い出すのは「2010」の時の「人間トランスフォーマー」のエピソードです。あちらでは文字通り、本当に人間になってしまったわけですが、こちらではネタバレになりますが、結局人間になったのは「夢」なわけです。しかし夢とは言え、サウンドウェーブの作り出した仮想現実空間の出来事なので、オートボットにとっては現実のように思えた事でしょうし、最後でプロールが言っているように、とても貴重な経験であった事は間違いないでしょう。
サリの登場も、なんだか久しぶりな気がします。そしてサリが助けを求めて結成したチームのメンバーが、スクラッパー、スナール、レックガーと全員地球で生まれたトランスフォーマーなのも面白いと言えますし、それに敵対するサウンドウェーブも、本来地球生まれのトランスフォーマーなのですよね。とにかく普段はあまり見られないキャラクターが活躍するのが、今回最大の見所だと言えるでしょう。またサウンドウェーブは、コンドルとラットバットなども連れて登場など、従来のファンへのサービスも忘れてはいませんよね。
「Decepticon Air」
Written by : MICHAEL RYAN
Art Direction : DERRICK J.WYATT
Directed by : KALVIN LEE , SHIGEHARU TAKAHASHI
バルクヘッドとサムダック博士の努力により、とうとうスペースブリッジの再建が終わった。更にサリのパワーを得て、いつでも稼動させられる状態になるのであった。
その頃センチネル達エリートガードはディセプティコンの残党を捕らえ、サイバトロン星に戻る途中であった。ウルトラマグナスが負傷した事を聞いたセンチネルは、自分こそが次の総司令官だと息巻くと、一刻も早くサイバトロン星へ戻るべく船を急がせる。その途中で磁気嵐の中を通過した際に、捕らえられていたスウィンドルが機能を回復。スウィンドルは他のディセプティコンのステイシス錠を外し、武器を与えるのであった。
武器を得たディセプティコン達は、宇宙船内で武装蜂起をした。センチネル達は完全に隙を突かれた形となり、大ピンチを迎えてしまう。サイバトロン星に救援を求めるわけに行かないセンチネルは、暗号を使いオプティマスに救援を要請する。センチネルからの救援信号を受けたオプティマス達。エリートガードの宇宙船から、トランスワープエネルギーが発生しているのを、バルクヘッドが発見。それを利用して、オプティマスが単身宇宙船にワープをした。
エリートガード達は、ディセプティコンにより捕らわれの身となってしまった。今や完全に立場は逆転したのだ。勝ち誇るディセプティコン達。その時、スウィンドルの胸にある、トランスワープエネルギーを利用した倉庫の入り口から、オプティマスが現れる。オプティマスは咄嗟に状況を見抜くと、船内のエネルゴン倉庫へと向かった。エネルゴンを爆発させてディセプティコンを混乱させたオプティマスは、船内の通気孔を伝いセンチネル達の所へ戻ってくる。
オプティマスはセンチネル達を解放するが、そこへラグナッツ達ディセプティコンが戻ってくる。オプティマスはジャズに、捕らえたディセプティコンを凍結するための準備をしておくよう指示を与える。ラグナッツの攻撃で、オプティマス、センチネル、ジェット兄弟は宇宙空間へと飛び出してしまう。空中の戦いではディセプティコンに分があるものの、オプティマスは頭を使い対等以上にやりあうのであった。しかしセンチネルを人質にとられ、攻撃を止めざるを得なくなってしまう。
オプティマス達はディセプティコンにより凍結されそうになるが、逆にディセプティコン達が凍結させられてしまう。実は先ほどのジャズへの命令が罠であり、暗号を使いジャズに仕掛けをさせていたのだった。スウィンドルは取り逃がし、ラグナッツは宇宙のどこかへ飛び去ってしまったものの、残るブリッツウイング、サンストーム、ラムジェットを捕らえたオプティマス達。センチネルはオプティマスを地球へと送り届けると、彼に敬意を表するのであった。
サイバトロン星へと戻ったセンチネルは、自らが次の総司令官になるべく民衆の前で演説をする。その頃ラグナッツは、ワープを繰り返すメガトロン達と、偶然にも遭遇していたのであった。
今回はサイバトロン星へ戻る途中の、エリートガードの船内が舞台になっていますが、実はセンチネルがウルトラマグナスに次ぐ地位にいた、という事が明らかになる、結構重要なエピソードだったりもします。
しかし実際には、センチネルよりもオプティマスの方がよっぽど有能な司令官である、という事が描かれてしまいます。もっともオプティマスは、地球で多くのディセプティコンと戦っているので、経験値が違うのですから、仕方ないのかも知れません。
ラストでセンチネルが演説をしている際に乗っているトレーラーですが、これはG1最後期、「ザ・バトルスターズ」と呼ばれているシリーズに登場する、グランダスというキャラクターです。結構マイナーなキャラなのですが、こんなキャラクターを引っ張ってくるとは、スタッフにはかなりのトランスフォーマー好きがいるのだと言わざるを得ません。さらに演説シーンでは、モブキャラとして多くのキャラクターが登場していますし、またスウィンドルがサンストームとラムジェットに贈ったヘッドパーツは、それぞれG1のジェットロントニュージェットロンの物ですよね。
「This is Why I Hate Machines」
Written by : ROB HOEGEE
Art Direction : DERRICK J.WYATT
Directed by : KALVIN LEE , YUTAKA HIRATA
ラチェットはスペースブリッジの前で、オメガスプリームを探していた。そこへファンゾーン警部が、故障した警備ロボットに追われながらやって来た。追われるファンゾーンを尻目に、スペースブリッジに見入るラチェット。とその時、スペースブリッジがオメガスプリームの反応をキャッチして、作動を始めた。しかしブリッジのワープゾーンに、ファンゾーン警部が吸い込まれてしまう。ラチェットは已む無く、自分もワープをするのだった。
ファンゾーン警部がワープした先は、なんとサイバトロン星であった。ファンゾーンは住人に踏み潰されそうになる所を、ラチェットに助けられる。オメガスプリームの反応を探すついでに、久しぶりのサイバトロン星を楽しもうとしたラチェットであったが、サイバトロン星は今、戒厳令の真っ只中であった。そこへセンチネル達エリートガードがやってきた。サイバトロン星の近くにオメガスプリームがいる、というラチェットの言葉を、まるで信じないセンチネルであったが、その時上空にオメガスプリームの姿が出現する。オメガスプリームの中には、メガトロンがいる。それを知ったセンチネルは、オメガスプリームの破壊を評議会に訴える。しかしもしオメガスプリームを破壊しようものなら、その体内のトランスワープエネルギーの影響により、サイバトロン星は壊滅的打撃を受けるし、何よりラチェットが、友であるオメガスプリームの破壊を許すはずも無かった。ラチェットは反逆とみなされてエリートガードに捕まりそうになるのだが、ファンゾーンのおかげでピンチを脱出。ラチェットとファンゾーンは、エリートガードに追われる身となってしまうのだった。
ラチェットはオメガスプリームの自我を取り戻すため、今では使われなくなった研究施設へと忍び込む。しかしそこには既にショックウェーブがいたのだ。彼はオメガスプリームの自我をリセットするために、オメガスプリームの起動コード、つまりラチェットを狙うのであった。ウルトラマグナスから奪ったハンマーで襲いくるショックウェーブに対して、ラチェットは果敢に勝負を挑む。しつこく抵抗するラチェットに業を煮やしたショックウェーブは、別の者から起動コードを手に入れるべく、その場を逃げ出すのであった。
その「別の者」を守るため、ラチェット達は警備が厳重な場所へと乗り込む。途中でジャズの助けを得た彼らは、無事に「別の者」すなわちアーシーの所へと潜入する。しかしそれを待っていたかのように、ショックウェーブが現れる。ラチェットはファンゾーンとアーシーを隠すと、単身でショックウェーブに戦いを挑む。戦いの最中、治療中のウルトラマグナスの部屋へと飛び込んだショックウェーブは、ウルトラマグナスにとどめを刺そうとするのだが、その隙を突かれラチェットにやられてしまう。
そこへ飛び込んできたセンチネルのせいで、ショックウェーブはアーシーを捕まえ逃亡。センチネルは評議会の許可無く、オメガスプリームに対して攻撃を行うが、その瞬間オメガスプリームは何処かへとワープしてしまった。センチネルは攻撃の責任を、評議会で問われる。ラチェットは無事に地球へと戻れる事になり、ファンゾーン警部とそしてウルトラマグナスのハンマーと共に、地球へと戻ってくる。センチネルに嫌気が差していたジャズもその後についてくるかのように、地球へとやってきたのであった。その頃月面に、オメガスプリームがワープしてきた。ショックウェーブはその本来の姿を取り戻すと、メガトロンに忠誠を誓うのであった。
サイバトロン星が舞台なので、今回の最大の見所は、とにかくたくさん登場するトランスフォーマーでしょうか?前回登場したグランダスやオートルーパー、スチールジョーやトラックスなど、有名なキャラクターからマイナーなキャラクターまで、全部を見つけるのは大変なのでは無いでしょうか?さらにエリートガードの基地として、メトロフレックスやフォートレスマキシマスまで出てきてしまうサービスっぷりです。
ストーリーの方は、オメガスプリームとそれにまつわるラチェットとアーシーの話がメインになります。「Thrill of the Hunt」や「TransWarped」などで描かれたラチェットの過去を知っていると、今回のラチェットの行動は実に自己犠牲的であり、どこか己の罪を償おうとしているようにも見えてしまいます。
対するショックウェーブも、実にディセプティコンらしい卑劣な戦法で襲い掛かってきます。さすがはメガトロンの忠臣だけあって、その実力半端な物ではありません。そしてラストで体色を紫色に変化させるのですが…これは正に初代のショックウェーブ(レーザーウェーブ)へのオマージュ以外の何物でも無いでしょう。
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