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「Velocity」
Written by : LEN UHLEY
Art Direction : DERRICK J.WYATT
Directed by : IRINEO MARAMBA , CHRISTOPHER BVERKELEY , KENJI ITOSO
夜のデトロイトの街を暴走する、自動車の一団に遭遇するオートボット達。バルクヘッドはサリから聞いていたため、彼らがストリートデーモンという連中だと知っていた。その中の青い車に対抗心を燃やしたバンブルビーは、青い車と競争を始める。その他の車も事故に巻き込まれ、オートボット達に救助される。だがファンゾーン警部の話では、彼らは違法にレースを繰り広げており、それがテレビ中継されていたのであった。
彼らが違法な存在であった事を知ったバルクヘッドは、その事をサリに伝えるのであったが、サリは特に気にしていない。それどころかそのテレビ中継すらも、違法に電波を受信して見ていたものであった。一方バンブルビーは青い車に対抗心を燃やし、その車がディセプティコンなのでは無いかと疑うと、ターボブースターをつけ調査に向かったのであった。
再びスピードデーモンの一団、そして青い車に遭遇するバンブルビー。スピードデーモンを取り仕切り青い車を遠隔操作していたマスター・ディザスターはバンブルビーに興味を持つと、次のレースに参加するよう促すのであった。またディセプティコンのブリッツウイングが周囲を嗅ぎまわっているのを知ったバンブルビーは、青い車とオールスパークが何らかの関係を持っているという核心を強める。バンブルビーはサリにレースの事を伝えるのであったが、運悪くバルクヘッドに聞かれてしまう。違法レースに参加する事を許さないバルクヘッドにバンブルビーは嘘をつき、サリと共にこっそりとレースに参加するのであったが、しかしバルクヘッドには気づかれていたのであった。
レース直前、サリの鍵がオールスパークに反応した。しかしそれは青い車に対してでは無く、マスター・ディザスターのトレーラーの中からであった。サリが発見したのは、青い車を操っていたコントローラーであった。サリはコントローラーを手に入れると、バンブルビーと共に一目散に走り出した。そこへブリッツウイングが襲来。途中でファンゾーン警部も巻き込み、バンブルビーと壮絶な追いかけっこを繰り広げる。サリの機転でコントローラーを使い、ブリッツウイングを翻弄。更に青い車の協力で、なんとかブリッツウイングを撃退するのであった。違法行為を繰り広げていたマスター・ディザスターも、ファンゾーン警部に逮捕されてしまった。
やはり違法行為は良くない、という事で、サリとバンブルビーは衛星放送を違法に受信していたアンテナを切断。そしてバンブルビーは、あの青い車に感謝をささげると共に、そのドライバーが一体誰だったのか、という事に疑問を感じるのであった。
違法レースに黒いトレーラー、という事でスタントロン部隊の登場?と思ってしまうのですが、残念ながらアニメイテッドには、スタントロンは登場いたしません。
今回のキーワードとなるのは「違法」でしょうか。スピードデーモン達も違法行為を繰り広げていましたが、それを見ていたサリも違法行為をしていたわけです。程度の差はあれ、やはり違法行為は良くない事だし、それに対してバルクヘッドが怒るのも、解る気がします。
劇中でバンブルビーがバルクヘッドと約束をする時に、背中で指をクロスさせるジェスチャーをしています。これは「その約束破るよ」とか「今、嘘をついているよ」といった意味合いのジェスチャーで、海外アニメでは比較的良く出てくるジェスチャーです。その一連のシーンは、このジェスチャーの意味が解らないと、面白くないシーンですので、この機会に覚えてしまいましょう。
今回の見所は、後半のバンブルビーとブリッツウイングの、スピード感溢れる追いかけっこのシーンでしょうか。しかし考えてみれば、ブリッツウイングが初登場した頃は、オートボットが全員でかかっても手こずっていた相手なのですから、バンブルビーも随分と成長したものですよね。
そしてバンブルビーを助けてくれた青い車の正体は…?これは後のエピソードで明らかになります。
「Rise of the Constructicons」
Written by : STAN BERKOWITZ
Art Direction : DERRICK J.WYATT
Directed by : BEN JONES , IRINEO MARAMBA , SHUNJI OGA
デトロイトの街の復興作業を手伝うオートボット達。夜になり皆は基地へ戻るのだったが、バルクヘッドは一人セメントの混合に精を出していた。その頃オールスパークの欠片が建設重機に宿り、また新たなトランスフォーマーが生まれた。ミックスマスターとスクラッパーを名乗る二人は、セメントの混合に失敗したバルクヘッドの危機を救い、バルクヘッドと友達になるのだった。
しかしミックスマスターとスクラッパーは、性格にかなり癖があり、またオイルを飲んでは大暴れして、皆に迷惑をかけるのであった。バルクヘッドは二人をオートボット基地に連れ帰るのであったが、逆に付き合いを絶つように注意されてしまう。
街を歩いていたミックスマスターとスクラッパーは、資材を運んでいたブリッツウイングとラグナッツに遭遇。彼らは資材をディセプティコン基地まで運ぶのを、手伝うのであった。そんな二人に目をつけたメガトロンは、スペースブリッジの建設を手伝わせようと目論むのであった。
翌日、資材を運ぶミックスマスターとスクラッパーを発見したバルクヘッドは、二人が今はディセプティコンの手伝いをしている、と知り驚く。それはメガトロンに騙されているのだ、と二人に説明をすると、二人はディセプティコン基地へと戻り、メガトロンに真意を問いただす。しかしメガトロンはオイルで二人を釣り、言葉巧みに二人を騙すと、二人を完全に味方に引き入れるのであった。
メガトロンの命令で、ミックスマスターとスクラッパーがオートボット基地にある、オールスパークの欠片を奪いにやってきた。その圧倒的パワーの前に、オートボット戦士は苦戦。とうとうバンブルビーを人質に取られてしまう。そこへバルクヘッドが、オールスパークの欠片を差し出してしまったのだ。更に二人にオイルを振舞うバルクヘッド。オートボットの仲間は、バルクヘッドに対し軽蔑の目を向けるのであった。しかしそれはバルクヘッドの作戦であった。オイルに爆発物を混ぜておいたために、ミックスマスターとスクラッパーの体内で爆発が起き、無事にオールスパークの欠片を取り戻す事が出来た。しかし二人は爆発のショックで、記憶を失っていた。もう友達では無いと悟ったバルクヘッドは、涙をこらえ二人を追い払うのであった。
ミックスマスターとスクラッパー、すなわちコンストラクティコン登場回です。しかし今回は、どことなく後味が悪い一遍でもあります。シーズン2は何故か、オートボットが妙に性格悪かったり、仲間同士ギスギスしていたりするシーンが結構あったりするのですが、今回は特にその傾向が強いのでは無いでしょうか。
ミックスマスターとスクラッパーの二人は、確かに酒癖が悪かったり暴れたりと迷惑なキャラクターではあるのですが、最初にバルクヘッドを助けた事からも解るように、決して悪い連中というわけではありません。しかしバルクヘッド以外のオートボットは、最初から二人を悪人扱いしてしまっています。破壊活動などを行っていないのですから、ダイノボット達よりはよっぽどまともでしょう。またメガトロンにオイルで釣られてしまったわけですが、話が全く通じない相手では無いので、レックガーのように説得をするという事だって出来たはずです。特にラストで記憶が無くなったのですから、新たにオートボットとして教育するという事だって出来たはずです。
これは想像なのですが、彼らにはG1のコンストラクティコンのように「オートボットを裏切った」というキャラクター付けをしたかったのでは無いでしょうか。ただ描写不足のために、どうにも煮え切らない印象になってしまったのでは無いでしょうか?ラストのオプティマスのセリフが、なんだか妙に白々しく聞こえてしまいます。
「A Fistful of Energon」
Written by : ANDREW R.ROBINSON
Art Direction : DERRICK J.WYATT
Directed by : IRINEO MARAMBA , MATT YOUNGBERG , MAKOTO HUCHIGAMI
ラチェットからEMPを借り受けたプロールとバルクヘッドは、暴れまわるグリムロックを取り押さえた。プロールはEMPを使い、グリムロックの足に刺さったトゲを取ってやるのだった。そこへウルトラマグナスから、捕まえたスタースクリームが護送中に脱走をした、という連絡が入った。
プロール達は早速テレトラン1を使い、スタースクリームを捜索する。すると月面にオールスパーク反応を発見した。バルクヘッドの制止を振り切り、プロールは単独で月面へと向かってしまった。
月面で、プロールはスタースクリームと遭遇。EMPを使い、取り押さえるのであった。しかしそこへ賞金稼ぎのロックダウンが出現。やはり彼もスタースクリームを追っていたのであった。スタースクリームを巡って二人が争っている隙に、スタースクリームは逃亡。プロールの乗ってきたシャトルを破壊し、地球へと向かったのであった。
プロールはロックダウンの宇宙船に進入すると、ロックダウンに協力を申し出た。そしてプロールは、ロックダウンからサムライアーマーを借り受けるのであった。地球に到着し、スタースクリーム捜索を始める二人。早速スタースクリームを発見するのだが、何か様子がおかしい。しかしプロールはそんな事には構わずに、スタースクリームを捕らえる。
ロックダウンの雇い主は、メガトロンであった。プロールはロックダウンに縛られ、スタースクリームも奪われてしまった。オプティマス達に助けてもらい、急ぎロックダウンの追跡を始める。プロールがロックダウンを見つけたその時、もう一人のスタースクリームが目の前に現れる。プロールは再びサムライアーマーの力を借りてスタースクリームを捕まえるのであったが、その代償として鳥の巣と卵を破壊してしまった。力に取り付かれ大事な事を見失っている、とのラチェットの言葉に、プロールはようやく目を覚ますのであった。
ロックダウンとメガトロンの取引の現場へ乗り込むオートボット達。スタースクリームが二人いる事を不審に思ったメガトロン達。そこへスタースクリームから、通信が入った。これはスタースクリームの罠だったのだ。彼らが捕まえたのは、スタースクリームのクローンであり、体内には強力な爆弾が仕掛けられていたのだ。逃亡するメガトロン達。プロールはアーマーを使い、スタースクリームのクローンを遥か上空へと飛ばすと、クローンは大爆発を起こすのであった。
プロールの事を気に入り、相棒としたいというロックダウンからの通信があったが、プロールはそれを拒否した。サムライアーマーは失われたが、彼はもっと大事な物を取り戻したのであった。その頃月面では、スタースクリームが大量のクローンを前に、高笑いをしているのであった…。
今回のサブタイトル「A Fistful of Energon」は、「A Fistful of Dollars(邦題:荒野の用心棒)」のパロディでしょうか。ロックダウンがポンチョを着て登場するのも、それらしいですよね。
今回のテーマは「力に目を奪われると、もっと大事な物を失う」という所でしょうか。プロールもせっかくのパワーアップパーツを、失ってしまうのは勿体無い気もします。しかし海外アニメでは、単純なパワーアップなどでは無く知恵を使って事件を解決する事が多いので、この辺りはやはり日本人との感性の違いなのでしょう。
今回ロックダウンとプロールの因縁が描かれますが、彼らの関係はシーズン3にてより深く、より以前から因縁があったものとして描かれる事となります。またスタースクリームが再登場します。彼の作ったクローンは、シーズン2のクライマックスをより盛り上げてくれる事となります。
「S.U.V. - Society of Ultimate Villainy」
Written by : DEAN STEFAN
Art Direction : DERRICK J.WYATT
Directed by : IRINEO MARAMBA , CIRO NIELI , SHUNJI OGA
ナノセクが再び現れた。バンブルビーはナノセクを捕まえようとするのだが、突如としてスピードが落ちてしまい、彼を取り逃がしてしまった。その失敗を挽回しようとしたバンブルビーは、サリと一緒に街のパトロールを始める。しかしアングリー・アーチャーやプロフェッサー・プリンセスを捕まえようとするとやはりスピードが落ちてしまい、取り逃がしてしまうのであった。
これらはスローモーという女悪党の仕業であった。彼女が手に入れた時計は、オールスパークの欠片により、ありとあらゆる機械の動きを止めてしまう力を持っていた。彼女はそれを使い、ナノセク、アーチャー、プリンセスと共に悪人の連合チーム「S.U.V.」を結成するのであった。
彼女達は早速泥棒活動を始めるのだったが、警察に囲まれてしまう。その時、スローモーの電話に謎の連絡が入る。その指示に従い側にあった車へと乗り込み、まんまと逃走に成功する。すると先ほどの声の主が、車にも通信を入れてきて、彼らに対し取引を持ちかけた。助けた礼として、盗んでほしい物があるというのだ。
声に従い盗みを続けるS.U.V.のメンバー。しかしバンブルビーとサリが、それを見張っていた。S.U.V.は盗んだ物で、大きなマシンを作り出した。声は最後に、そのマシンにスローモーの持つ時計を入れろと指示するのだったが、スローモーはこれを拒否。その時あの車が変形して、ロボットの正体と現した!彼は宇宙の武器商人スウィンドル。ディセプティコン相手に、あれこれと商売をしているのであった。
スウィンドルはスローモーから時計を取り上げると、マシンにセットしスイッチを入れた。するとデトロイト中の機械が全てストップしてしまったのだ!スウィンドルはこれをメガトロンに売りさばき、大儲けしようと企んでいたのだった。
マシンの影響で、バンブルビーもオートボットも動けなくなってしまった。しかしサムダックタワーには灯りが点いているのを見つけたサリは、フォースフィールドの内部ではマシンの影響を受けないのだと気づく。なんとかバンブルビーをサムダックタワーに連れていこうとするのだが、サリ一人ではとてもバンブルビーを動かせるはずも無かった。そんなサリに手を貸したのは、なんとS.U.V.であった。彼らはスウィンドルに復讐すべく、一時的にサリと手を組むのであった。
サムダックタワーにバンブルビーを運ぶ一同。動き出したバンブルビーと、S.U.V.の持つ機械に、フォースフィールドをつけるサリ。彼らはスウィンドルの所へ向かい、戦いを繰り広げる。サリが一瞬の隙をつきマシンを止めると、スウィンドルをビルから落とすのであった。サリとバンブルビーはマシンから時計を取り出すのであったが、その瞬間ナノセクが時計を奪った!S.U.V.は決して正義に目覚めたわけでは無く、ただ時計を取り戻せればそれで良かったのだ。
時計を巡って乱闘が始まったが、時計はスウィンドルの手に渡ってしまう。しかしそこへオートボットが到着。オートボットに向かい、時計の光線を発射するスウィンドルであったが、バンブルビーのフォースフィールドに反射されてしまい、結局自分が機能停止してしまう。その隙に逃げようとしていたS.U.V.も、警察に捕まってしまうのであった。
日本のアニメやマンガなどにおいて悪役というのは、しばしば大きな組織に所属しています。しかしアメコミなどの場合、悪役は基本的に個人だったりギャングだったりと、バラバラです。そして彼らはしばしば、今回のS.U.V.のようにチームを組んでヒーローに戦いを挑んできます。対するヒーローも、しばしばチームを組んで戦ったりするのですが、とにかく今回はそんなアメコミの悪役のように、デトロイトの悪役達がチームを組むお話です。またクライマックスで、バンブルビーとS.U.V.が一時的に手を組むのも、実にアメコミらしい展開だと言えるのでは無いでしょうか。
今回登場した武器商人のスウィンドルは、G1ではコンバットロンというチームに所属していました。しかしアニメでの一エピソード内で、傷ついた仲間のパーツを売り払う、という暴挙に出た事で有名なキャラクターでもあります。今回の彼の「武器商人」という設定は、その辺りを踏まえた物なのでは無いでしょうか。
ちなみにS.U.V.とは、今回登場したスウィンドルがトランスフォームしたような種類の車のことです。
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