トランスフォーマーアニメイテッド エピソードガイド09

#33

「Three's a Crowd」

Written by : RICH FOGEL
Art Direction : DERRICK J.WYATT
Directed by : KALVIN LEE , TETSURO MORONUKI

あらすじ

ロングアームがディセプティコンのスパイである事をサイバトロン星に報告するため、バルクヘッドとサムダック博士は協力して、サムダックタワーにてスペースブリッジの再建を行っていた。再建は着々と進んでいたのだが、部屋の床がその重みに耐えかねてフォークリフトやヘッドマスターユニットと共に落下してしまった。

バルクヘッドは部屋の修理のために、ミックスマスターとスクラッパーを探し出すと、言葉巧みに部屋の修理を手伝わせるのであった。思惑通りに落下した資材などを片付けるコンストラクティコン。しかし彼らは奇妙なものを発見する。それはフォークリフトとヘッドマスターユニットが、オールスパークの欠片により命を得た新しいトランスフォーマー、ダートボスであった。

ダートボスは乱暴な性格をしており、更に他者を自在に操る能力を持っていた。その能力でコンストラクティコンを従えるダートボス。バルクヘッドはダートボスに危険を感じたため、戻ってきたサムダック博士を一芝居うって追い返すと、仲間になったふりをして様子を見る事にしたのであった。

その頃他のオートボット戦士達は、ラグナッツと戦っていた。やっとの事でラグナッツにステイシス錠をつけたのだが、穴に落ちてしまった彼を引き上げるのは、バルクヘッド抜きでは大変なことなのであった。

一方ダートボスはコンストラクティコンを従え、町中のオイルを独占する行動に出た。ガソリンスタンドや輸送車を襲い、確実にオイルを貯蔵していくコンストラクティコン達。次の計画は大規模な石油貯蔵施設に火を放ち、自分達以外のオイルを無くそうというものであった。そこへまたもやサムダック博士が来るのであったが、バルクヘッドはまたもや一芝居打ち、サムダック博士を追い返す。しかし今度はそれが芝居である、とサムダック博士も気づいたのであった。

石油貯蔵施設へ来るコンストラクティコン達。しかし流石のバルクヘッドも見るに見かねて、彼らを止めに入る。だがダートボスに操られたミックスマスターと戦う事になってしまう。オートボット達は、通信からバルクヘッドがピンチである事を知り、石油貯蔵施設へと向かう。しかしバルクヘッドは既にダートボスに操られていた。サムダック博士の説明空しく、オートボットを襲うバルクヘッド。

なんとかバルクヘッドを止める事には成功したが、戦いの最中、漏れたオイルに引火してしまった。このままでは大爆発を起こしてしまう!バルクヘッドは、サムダック博士が持っていたプラズマ・ダイナミック・スラスターを使い、ダートボスとコンストラクティコン共々オイルタンクを海上へワープさせてしまう。そしてオイルタンクは海上で大爆発を起こすのであった。

しかしラグナッツには逃げられてしまった。彼を逃がしたのは、スタースクリームクローンの一人、ラムジェットであった。

解説

コンストラクティコン再登場、そして新キャラクター登場編です。今回登場するダートボスは、フォークリフトとヘッドマスターユニットが合体して出来たわけなのですが、「ヘッド」というう事はやはり当然ダートボスを「頭」として、コンストラクティコンが合体してデバスターになるのか?と期待してしまいます。ラストで三人がそれを彷彿とさせるポーズで消えてしまったので、制作側としてはそういう予定があったのかも知れませんが、結果としてコンストラクティコンはデバスターには合体しませんでした。この辺り、もしかしたら実写映画「トランスフォーマー・リベンジ」との絡みもあったのかも知れませんが、とにかく勿体無い事だと思います。

そのダートボスですが、とにかく口が悪く、まさに現場監督というイメージが強いキャラクターです。もともとのコンストラクティコンも工事現場で働いている作業員のイメージでデザインされていますので、これは当然の事なのかも知れませんよね。

劇中で出てくるオイル会社のイメージキャラクターに恐竜が使われていますが、これはG1のダイノボットのスラージですよね。

#34

「Where is Thy Sting?」

Written by : TODD CASEY
Art Direction : DERRICK J.WYATT
Directed by : KALVIN LEE , SHIGEHARU TAKAHASHI

あらすじ

スパイ=ワスプを追いかけ、センチネル達エリートガードが地球に向かっていた。自分の正体が露見する事を恐れたロングアームは彼らを牽制するのであったが、全てはウルトラマグナスの命令であった。その頃地球では、オプティマスがサイバトロン星由来の反応を発見。バンブルビーを留守番にして、調査に出かけてしまった。バンブルビーは早速ゲームを始めるのであったが、そこにワスプが現れる!バンブルビーはワスプが本当はスパイでは無かった事を素直に謝れず、また復讐の鬼と化したワスプは、バンブルビーを襲い気絶させるのであった。

ワスプはバンブルビーと自分の色を取り替えて、バンブルビーに罪を被せようとしていた。バンブルビーは自分がバンブルビーであると必死に訴えるのだが、誰も信じてくれない。恐怖を感じたバンブルビーは、慌てて逃げ出してしまう。バンブルビー=ワスプを追いかけようとするオートボット達。そこへセンチネル達エリートガードが到着する。オプティマスは本当のスパイはロングアームでありワスプは無罪だ、と主張するのだが、頭の固いセンチネルはあくまでもワスプがスパイだとして譲らない。

必死に自分の体についた色を落とそうとするバンブルビーであったが、なかなか色は落ちなかった。そこへジェットにトランスフォームする小型の二人のトランスフォーマーがやって来る。それをディセプティコンと思ったオプティマスとラチェットは、ワスプ=バンブルビーを助けるために、その二人と戦いを始める。空を飛ぶ二人にただでさえ苦戦する二人であったが、なんと二人が合体までするでは無いか!しかしその二人は、エリートガードの新戦力、ジェットストームとジェットファイヤーであった。

バンブルビーは今度はバルクヘッドとプロールに見つかってしまう。一計を案じたバンブルビーは、士官学校時代の、自分とバルクヘッドしか知らない思い出を話す。それを聞いたバルクヘッドは、ワスプとバンブルビーが入れ替わっている事に気づくのであった。そこへジェットファイヤー、ジェットストームがやって来る。バルクヘッド達がスパイの仲間と勘違いした彼らは、攻撃をしかけてきた。彼らの間で戦いが始まってしまうが、駆けつけたオプティマス達に止められる。そしてバルクヘッドはバンブルビーとワスプが入れ替わってる事を、オプティマスに伝えるのであった。

早速基地へ戻って、バンブルビー=ワスプを取り調べる一同。しかし彼らが出かけている間にワスプは、バンブルビーの個人情報をダウンロードして、すっかり彼になりきっていた。そこでバルクヘッドは、両者をゲームで対決させようと提案する。ゲームの上手い、勝った方が本物のバンブルビーだからだ。自分の不利を悟ったワスプは正体を現し、再びいずこかへと消えていってしまった。センチネル達は、本当のスパイがロングアームである事を理解するのであった。

その頃サイバトロン星では、これ以上正体を隠し通せないと悟ったロングアーム=ショックウェーブが、ウルトラマグナスを襲い、そのハンマーを奪っての逃走をしていた…。

解説

シーズン2で登場したワスプが再登場です。士官学校時代にスパイという事で捕まってしまった彼には同情を禁じえないのですが、しかし彼は元々バンブルビーやバルクヘッドをいじめていた悪い奴だった、という設定が語られます。確かにバンブルビーを解体してロッカーに詰めたりと、色々していましたが、だからといって悪人呼ばわりは、ちょっと可愛そうな気がします。

また新キャラとしてジェットファイヤーとジェットストームの兄弟が登場します。オートボットには珍しい、ジェット機型のトランスフォーマーですし、更に合体も出来るという事で、その戦力には期待が出来ますよね。性格的にもまだまだ子供のようなので、味方であるオートボットを敵と思って攻撃してしまうのも、仕方ない事なのでしょうか。

シーズン2以後、妙にオートボットの仲がギスギスしているように見えてしまう事がありましたが、今回は特にそれが強いように思えます。そう思えてしまうのも、一時は仲直りしたはずのセンチネルが、またまた嫌味キャラとして戻ってきてしまったせいでしょうか?最も彼は元々こういうキャラだった、という事なのでしょうけれども。

#35

「Five Servos of Doom」

Written by : ANDREW R,ROBINSON
Art Direction : DERRICK J.WYATT
Directed by : KALVIN LEE , YOSHIO FRANK CHATANI

あらすじ

オプティマス達はエリートガードと協力して、地球に残ったディセプティコンの残党を捕獲していた。そこでディセプティコンを追いかけるオプティマスが、兜をかぶった怪しい影を見つける。その影を追いかけた先にいたのは、たった一人でサンストームを捕獲したセンチネルであった。彼はすでに、ブリッツウイングやスウィンドルも捕獲していたのだった。その活躍ぶりを訝しがるオプティマス達。どうやって捕まえたのか?という問いに対しても、センチネルは誤魔化して答えようとしない。そこでオプティマスは、自分が見た影がかぶっていた兜について、プロールに調べさせる。オプティマスが見た、という兜は実は、プロールの師匠ヨケトロンの物と同じであったのだ。

グレート・ウォーの時代、プロールはまだただのチンピラ同然であった。しかしマスター・ヨケトロンによりその才能を見抜かれ、サイバー忍者として修行をする事となったのだ。そしてまたジャズは、プロールの兄弟子にあたるのであった。しかしセンチネルの影にいるのがヨケトロンだとは信じられないプロール。ディセプティコンの武器が一様に奪われている事に気づいたプロールはその手口から、「ある男」がセンチネルに協力しているのでは無いか?と問いただす。しかしセンチネルは自分が捕まえた、と言いはるのであった。

ヨケトロンは、オートボットのプロトフォームを守護する任務を行っていた。そしてその後をプロールに継いでもらうべく、サイバー忍者の秘術を彼に教えるのであった。しかしまだまだ未熟なプロールは、その秘術を上手く使いこなせないでいた。

怪しい行動を取るセンチネルに気づいたプロールは、夜のデトロイトを彼を尾行した。そして野球場に到着。そこにはヨケトロンの兜をかぶったロックダウンと、捕らわれたラムジェットがいた。センチネルはロックダウンに協力してもらい、ディセプティコンを捕まえていたのだ!二人の取引に割って入るプロール。しかしそれは罠だった!ロックダウンとラムジェットは、プロール達に襲い掛かった!しかしそこへ、通信を受けたオプティマス達が現れ、戦いが始まる。

戦いの最中、プロールはロックダウンが実はヨケトロンの弟子であること、そしてヨケトロンを殺し多くのプロトフォームを奪ったのが、ロックダウンだと知る。復讐を果たそうとするプロールであったが、逆に捕まってしまう。ロックダウンの宇宙船に運ばれ、プロールは装備を取られそうになる。しかしプロールは、サイバー忍者の秘術を使い脱出。そこにあったサムライアーマーのレプリカを装備すると、ロックダウンに立ち向かう。

外ではラムジェットとの戦いが熾烈を極めていた。オプティマス達は野球場の得点板を、ラムジェットとロックダウンの真上に落とす。プロールも巻き込まれてしまったか、と思われたが、サイバー忍者の秘術のマスターしたプロールは無事であった。ラムジェットはかろうじて捕まえたものの、ロックダウンは逃亡。手柄は全部プロールのものとして、サイバトロン星へ報告するのであったが、サイバトロン星ではウルトラマグナスがショックウェーブにやられた事で、大騒ぎであったのだ。

解説

今まで語られる事の無かった、プロールの過去エピソードです。今回のエピソードを見る限り、プロールはグレートウォーの時代にはすでに生まれていたけれど、戦争には参加していなかった、という事が解ります。という事は、ラチェットよりは若いのだけれども、オプティマスよりは年上という事でしょうか。

そしてロックダウンとプロールの因縁の真相が、彼らの師匠ヨケトロンと共に語られます。そのヨケトロンの兜を得る事で、また今までの数々の戦いでプロールは成長し、再びサムライアーマーを装着する資格を得たのだ、と言う事が出来るでしょうね。

…とは言え、以前のサムライプロールの時の兜とヨケトロンの兜は、若干デザインは変えてありますが、かなり似ていると言っていいでしょう。何故以前サムライアーマーをつけた時のプロールは、ヨケトロンの事を思い出さなかったのでしょうか?という疑問は残ります。もちろん「全然別物だから」という事なのでしょうが、何やら釈然としない気がします。

今回登場したヨケトロンには、モデルが存在します。タカラトミーでトランスフォーマーシリーズの玩具の開発を担当しておられた、餘家英昭さんという方です。つまりトランスフォーマーの生みの親をモデルにしたキャラクターが、トランスフォーマー達の大本であるプロトフォームを管理している、というなかなかに心憎い設定だという事ですね。

ちなみにヨケトロンの所にあった10人ですが…、向かって右からスターアッパー(コミックボンボンのビーストウォーズセカンドのマンガに登場するオリジナルキャラクター)、グランダス(リターンオブコンボイ)、ジャズ(本作)、ダイアトラス(Z)、ヨケトロン(本作)、デフコン(初代「ギャンブル惑星モナカス」のゲストキャラ)、スカイギャリー(リターンオブコンボイ)、空席(ロックダウン?)、スプラング(2010)だそうです。

#36

「Predacons Rising」

Written by : LARRY DITILLIO , BOB FORWARD
Art Direction : DERRICK J.WYATT
Directed by : KALVIN LEE , YUTAKA KAGAWA

あらすじ

逃げ回るワスプを追いかける、オプティマスとバンブルビー。そこにセンチネルとジェットファイヤー、ジェットストーム兄弟らエリートガードが加わって、大乱戦になってしまう。せっかくワスプを追い詰めたのだがオプティマスとセンチネルがケンカを始めて、その隙に逃げられてしまう始末である。そんなワスプを捕まえ飛び去る影があった。ダイノボットのスワープである。オプティマスはある予感を感じ、センチネルを止めるのだが、センチネルとジェット兄弟は、スワープを追いかけエリー湖の島へと飛んでいってしまう。オプティマスとバンブルビーは、急ぎ彼らの後を追うのであった。

ワスプが連れてこられた先には、ブラックアラクニアがいた。オートボットから裏切られ追われる彼に同情したブラックアラクニアは、ワスプに新たな力を与えようとする。彼女はトランスワープ発生装置にワスプと、そして一匹の蜂を入れると、スイッチを入れるのであった…。

ワスプを追いかけ島へとやってきたセンチネルは、ジェット兄弟にダイノボットを引きつけさせると、単身洞窟に乗り込んでいった。そこでセンチネルは、ブラックアラクニアに遭遇する。もともと有機生命体嫌いの彼はウィドーを嫌悪するのであったが、ウィドーから彼女の正体がエリータワンであると聞き、更にショックを受ける。

トランスワープ発生装置から、ワスプが出てきた。しかし蜂と融合してしまった彼は、もはやかつてのワスプでは無い、ワスピーターと成り果てていたのだ。ワスピーターは、島へと来ていたバンブルビーに遭遇。バンブルビーは必死で謝罪をするのであったが、狂ったワスピーターは決してバンブルビーを許しはしなかったのだ。しかし突如として、ワスピーターの様子がおかしくなるのであった。

センチネルを助けに来るオプティマス。オプティマスはセンチネルに、ブラックアラクニアの事を言えなかった事を謝る。そしてウィドーに、何故ワスプを有機体と融合させたのか、と問うのであった。ブラックアラクニアの真の目的は、ワスピーターを使い自分の体を元に戻す実験をする事であった。たとえその過程で彼が死ぬ事になろうとも。しかしそれを聞いてしまったワスピーターは、裏切られた事を知り、ブラックアラクニアに襲い掛かる。しかしワスピーターの体内ではトランスワープエネルギーが暴走していて、いつ爆発を起こしてもおかしくないのだ。

逃げるブラックアラクニアを追いかけるワスピーター。それを追いかけるオプティマス達。あわや大爆発を起こそうとするその瞬間、ブラックアラクニアは自分の体もろともワスピーターを蜘蛛の糸で縛ると、共にいずこかへとワープしてしまったのだ。

大混乱のサイバトロン星へと戻っていく、エリートガード達。オプティマスとセンチネルは、多少なりともその友情を再確認しあうのであった。一方ブラックアラクニア達は、どこか見知らぬジャングルに飛ばされていたのであった…。

解説

久しぶりにブラックアラクニアが登場。そしてワスプが、ワスピーターへと変身してしまいます。この二人の組み合わせと言えば、「ビーストウォーズ」が思い出されるのですが、それに関する小ネタはについては後ほど…。

今回は「謝りたくても謝れない」人達が出てきます。まずはバンブルビー。ワスプに対してスパイの嫌疑をかけた事を、謝りたいのですがロングアームのせいにして、正直に謝れない。そしてセンチネルも、ブラックアラクニア=エリータワンを置き去りにしてしまった事を、謝れない。オプティマスはウィドーにもセンチネルにも、素直に謝っておりますが、ただセンチネルに真実を告げたくても告げられなかった、という意味では彼も「謝れなかった」のでしょう。また肝心のブラックアラクニアも、自分がディセプティコンになり非道な行いをしてしまった事を、謝れずにいると見る事も出来ます。そう考えるとラストで彼女が取った行動は、やはりオプティマス達を助けようとした贖罪の意識からの行動なのでしょうか。

ワスプを蜂と融合させるにあたって、トランスワープ装置に両者を入れる、というのは古典的SF作品「ハエ男の恐怖」のパロディですよね。

さて今回のラストシーンで、ブラックアラクニアとワスピーターは、どこか見知らぬジャングルに飛ばされてしまいます。そこで、ゴリラとサイとネズミとチーターに遭遇して終わるのですが…。勘のいい人ならすでにお気づきだと思いますが、この動物達は「ビーストウォーズ」のメンバーと、同じ種類の動物達なのですよね。これはもう完全にファン向けの、サービスだと言っていいでしょうし、ブラックアラクニア達は「ビーストウォーズ」の世界にワープした、と解釈してもいいのかも知れません。有機生命体と融合した彼らにとっては、むしろその方が幸せなのかも知れませんしね。