第31話 | 「エピソード31」 (2005,5,3初放送) (あらすじ) 果てしなく広がる砂漠。そこにある古代の遺跡にて、アクは「セトの手下」と呼ばれる魔物達を復活させた。彼らにジャックを始末させようと言うのだ。そんな事も知らず、砂漠の遺跡へと立ち寄るジャック。 ジャックは遺跡に対し、奇妙な「懐かしさ」を覚える。そう実はこの遺跡は、かつてジャックが少年時代を過ごした場所であったのだ。 そこへセトの手下達が襲い掛かる!セトの手下は強力な上、三体で襲ってくるので、さすがのジャックも苦戦する。だがその時ジャックは思い出す。この遺跡のどこかに、彼らを倒す方法が書かれていたのを…。 (解説) 今回はエジプトが舞台。そのため、エジプトに縁深い神様などが多数登場します(この辺りは後ほど解説を)。背景などの美術も、すっかりエジプト。ヒエログリフ(絵文字)などの描写も実に良く研究しているな〜、と思ってしまいます。特にジャックの子供時代の、まだ廃墟になる前の描写と、現在の廃墟となり遺跡となった後の描写のコントラストなども、またいい演出であります(過去が昼であるのに対し、現在は夜である)。 今回も前回同様、全編戦いっぱなしなのですが、今回はそれに加えてセトの手下の弱点を探しながら戦うという、いわゆる「謎解き」の要素がありますね。それでいて普段のアクションのテンポが、全然損なわれていないのは、流石という他ありません。結果としていつものアクション演出にさらに一味違う面白さが加わる結果となっています。 久しぶりに、ジャックの子供時代が登場するのもポイント。この頃ジャックは世界中を旅していたんですよね。しかしこの時に一緒に遊んだ友人達もいずれアクに…と考えると、ちょっとやるせない気持ちになってしまいます。 さて今回登場したエジプトの神々についてちょっと解説しましょう。 さてラストに出てくる神でありますが、これが「ホルス神」か「太陽神ラー」のどちらなのか、ネット上での感想サイトを見ると、説が二分されているようです(ちなみに英語の解説ページでは「ラー」になっているようですが)。 自分としては、あれは「太陽神ラー」だと思っています。理由は「スカラベ」です。 ネタバレになりますが、ジャックが「セトの手下」を退けるために集めていたのは「スカラベ(フンコロガシ)」の形をした彫刻です。そして「スカラベ」は実は古代エジプトでは「太陽神の化身」と思われていたのです。何故なら「スカラベ」がフンを転がす様子が、太陽の運行に見立てられていたからです。 |