「試練の時」
(原題:Mainstream)
(2003,8,12初放送)
(あらすじ)
教授も無事に戻ってきて、ひとまず騒動は一段落した物の、だがまだ問題は山積みであった。
X-MEN達は破壊された学園の地下で寝泊りをしていた。だがしかしあの騒動のため、中には家に連れ戻されてしまうメンバーもいたり、人々の嫌がらせなどを受けて心穏やかならぬ心境であった。
そんな中、パワーを使わない事を条件に学校への通学が許される。そしてその様子を見て、理事会にて今後の方針が決定されるのであった。
久しぶりに学校へと登校するスコット達。だが同級生達の視線は、もはやかつてのそれとは違い、好奇と嫌悪で満ちており、様々な嫌がらせを受けるのだった。ところが一人カートだけは、ホロウォッチのおかげで正体がバレずにいた。だがそれも時間の問題。同じ学園に住んでいる事は周知の事実なわけだし、なにより大切な仲間を裏切る事になってしまう。それでもカートはしばし自分の正体を隠すのだった。
同じ頃、ウルヴァリンはコロッサスと遭遇。戦闘になる。だがどうやらコロッサスにもなにやら事情があるようだった…。
そして夜の理事会。ジーンが皆の前で理解を求める演説をする事になる。その頃外ではケリー校長の陰謀により、ダンカンとブラザーフッドがスコット達を襲っていた!「パワーは使わない」という約束を守り応戦するX-MEN達。その余波が理事会会場をも襲うのだった。このままでは多くの被害が出てしまう。どうするX-MEN?
(解説)
シーズン2では人間に正体がバレるとどうなるのか?を軽く見せていましたが、シーズン3ではそれをより突き詰めた感じにストーリーが展開します。そんな今回はまさに「試練の時」ですね。
もちろんミュータントに対する言われ無き偏見はあってはならない事なのでしょうが、でももしも自分のすぐそばに、同じ様なミュータントがいたら?果たして我々は彼らをすんなりと受け入れる事が出来るでしょうか?そういった意味では、今回の学校の生徒達やケリー校長の取った態度を、我々は単純に非難は出来ないでしょう。
そして今回のポイントはカート。彼は特に学園に来るまではホロウォッチという、身を隠す手段を持っていなかったわけですから、他の誰よりも迫害を受けていただろう事は想像に難くありませんし、だからこそ再び迫害を受けたくは無い、という意識も他のメンバーより高かったのでしょう。そんなカートが仲間を裏切るような真似をしてまで「普通の人間」の振りをしていた事は、やはりそう簡単には非難できないでしょう。
大切なのは「自分の立場だったらどうするか?」という事。単純に他人の行動を非難するだけなら、それこそ誰でも出来ます。ではもしも自分がその相手と同じ立場だったらどうするか?例えばミュータントを迫害しなかったか?自分の正体を晒してまで、仲間を助ける事が出来たのか?そこを考えるのこそが、本当に大事な事なのでは無いでしょうか?と思います。
突き詰めてみれば、今回はそんな重く暗いテーマを取り扱っているのですが、唯一の救いはやはりラストでしょう。でも本当の「試練の時」は実はこれからなのかも知れません。
(今日のツッコミX)
う〜ん、かなり真面目な解説になってしまったんですが、こっちはあくまで明るく軽く(笑)。今回ダンカンとランス達が手を組みます。でもダンカンとランスって声同じやん(声:岸祐二)!ややっこしいったらありゃしない…、と思ったけどセリフが思ったよりかぶってなかった。会話シーンとかも無かったし。一安心って所? |