X-MENエボリューション全話ガイド9



第33話 「試練の時」
(原題:Mainstream)

(2003,8,12初放送)

(あらすじ)
教授も無事に戻ってきて、ひとまず騒動は一段落した物の、だがまだ問題は山積みであった。

X-MEN達は破壊された学園の地下で寝泊りをしていた。だがしかしあの騒動のため、中には家に連れ戻されてしまうメンバーもいたり、人々の嫌がらせなどを受けて心穏やかならぬ心境であった。

そんな中、パワーを使わない事を条件に学校への通学が許される。そしてその様子を見て、理事会にて今後の方針が決定されるのであった。

久しぶりに学校へと登校するスコット達。だが同級生達の視線は、もはやかつてのそれとは違い、好奇と嫌悪で満ちており、様々な嫌がらせを受けるのだった。ところが一人カートだけは、ホロウォッチのおかげで正体がバレずにいた。だがそれも時間の問題。同じ学園に住んでいる事は周知の事実なわけだし、なにより大切な仲間を裏切る事になってしまう。それでもカートはしばし自分の正体を隠すのだった。

同じ頃、ウルヴァリンはコロッサスと遭遇。戦闘になる。だがどうやらコロッサスにもなにやら事情があるようだった…。

そして夜の理事会。ジーンが皆の前で理解を求める演説をする事になる。その頃外ではケリー校長の陰謀により、ダンカンとブラザーフッドがスコット達を襲っていた!「パワーは使わない」という約束を守り応戦するX-MEN達。その余波が理事会会場をも襲うのだった。このままでは多くの被害が出てしまう。どうするX-MEN?


(解説)
シーズン2では人間に正体がバレるとどうなるのか?を軽く見せていましたが、シーズン3ではそれをより突き詰めた感じにストーリーが展開します。そんな今回はまさに「試練の時」ですね。

もちろんミュータントに対する言われ無き偏見はあってはならない事なのでしょうが、でももしも自分のすぐそばに、同じ様なミュータントがいたら?果たして我々は彼らをすんなりと受け入れる事が出来るでしょうか?そういった意味では、今回の学校の生徒達やケリー校長の取った態度を、我々は単純に非難は出来ないでしょう。

そして今回のポイントはカート。彼は特に学園に来るまではホロウォッチという、身を隠す手段を持っていなかったわけですから、他の誰よりも迫害を受けていただろう事は想像に難くありませんし、だからこそ再び迫害を受けたくは無い、という意識も他のメンバーより高かったのでしょう。そんなカートが仲間を裏切るような真似をしてまで「普通の人間」の振りをしていた事は、やはりそう簡単には非難できないでしょう。

大切なのは「自分の立場だったらどうするか?」という事。単純に他人の行動を非難するだけなら、それこそ誰でも出来ます。ではもしも自分がその相手と同じ立場だったらどうするか?例えばミュータントを迫害しなかったか?自分の正体を晒してまで、仲間を助ける事が出来たのか?そこを考えるのこそが、本当に大事な事なのでは無いでしょうか?と思います。

突き詰めてみれば、今回はそんな重く暗いテーマを取り扱っているのですが、唯一の救いはやはりラストでしょう。でも本当の「試練の時」は実はこれからなのかも知れません。


(今日のツッコミX)
う〜ん、かなり真面目な解説になってしまったんですが、こっちはあくまで明るく軽く(笑)。今回ダンカンとランス達が手を組みます。でもダンカンとランスって声同じやん(声:岸祐二)!ややっこしいったらありゃしない…、と思ったけどセリフが思ったよりかぶってなかった。会話シーンとかも無かったし。一安心って所?

第34話 「ピエトロ奪還」
(原題:The Stuff of Villains)

(2004,8,12初放送)

(あらすじ)
スカーレットウィッチことワンダは、街をさまよっていた。そして彼女が出会ったミューアント、キャリバン。彼はミュータントの居所を知る事が出来るという能力を持っていた。ワンダは彼にマグニートーからマグニートーの居場所を聞き出そうとするが、彼にもマグニートーの居場所は解らなかった。そこでワンダが聞き出したのは…。

学校ではランス達が退学処分となっていた。もちろん前回の理事会の際の出来事が原因なのだが、そもそもあれはケリー校長が仕掛けた事。ランスは面白くない。

一方ワンダは一人さまよい、とうとうクイックシルバー、ピエトロの所へやってきた。彼女はマグニートーをおびき寄せるため、ピエトロを利用しようと考えた。そしてピエトロは警察に捕まってしまうのだった。

一方ランス達ブラザーフッドの前に、あのニューヨークでの決戦の時に姿を現したミュータント、ガンビットが現れる。ガンビットは、ブラザーフッドが再びマグニートーの部下となれるよう、テストを行うと言う。そのテストとは…。

それを嗅ぎつけたローグとキティは、ランス達の後を尾行する。ランス達がやってきたのは軍の施設、そこに捕まっているピエトロを救出するのが彼らのテストだったのだ。だがしかしそれを阻止せんと戦うローグとキティ。果たして二人だけでブラザーフッドに立ち向かえるのか、そしてピエトロの運命やいかに?


(解説)
今回はランス達、ブラザーフッドのエピソードであります。しかしこいつら、単なる不良グループに成り下がってますね。挙句の果てに、ローグとキティたった二人に苦戦するし…。ほとんどいい所なし。しかもとうとうピエトロがリーダーに就任してしまうし…。そんな彼らの情けなさが今回の見所でしょうか?

今回ワンダが密かに暗躍してますね。彼女はやはりまだ父親のマグニートーを怨んでいるようです。果たして彼女の復讐は成功するのでしょうか?そもそもマグニートーはいつ姿を現すのか?それが今後のポイントともなってくるでしょう。

シーズン2のラストに登場したガンビットが再登場します。原作ではかなりの人気キャラな上、X-MENメンバーにいたので、今回悪役になっているのは一体どうして?と思ってしまうのですが、それでもやはりローグとの絡みがあると、ついつい期待してしまいますな(笑)。

ところで一応X-MEN達の学校への通学は許されたんですけれども、まだまだ彼らにとって学校は楽しい場所では無いようです。嫌がらせをしてくる人間もいれば、今回出てきた隊長さんのように、いい人達もいるわけです。ミュータントにもいい人、悪い人いるわけですから、そういった意味では、ミュータントも人間も同じなんですけどもねぇ…。

今回登場したキャリバン、前々回でタバサ達と地下下水道で遭遇したのと同じミュータントなのでしょうか?も、もちろん原作に登場。原作では「モーロックス」と呼ばれる、地下下水道に住んでいるミュータントの一員で、やはりそばにいるミュータントの存在を感知する能力を持っています。ただその外見は今作とは違って、かなり怪物に近いのですが…。


(今日のツッコミX)
キティとローグの追跡、すっごい効率悪そうなんですが…。もーちょっとなんとかならなかったんですかねぇ?

第35話 「闇にさす光」
(原題:Blind Alley)

(2004,8,13初放送)

(あらすじ)
エリア51。ここには逃げ遅れたミスティークが捕まっていた。だがしかし彼女はまんまと警備をくぐりぬけ脱出を果たす。彼女の目的は…?

エグゼビア学園。ようやく修復も大詰めを迎え、生徒達も大忙しだ。そんな中、スコットとジーンは様々な修羅場をくぐりぬけ、共に色々な冒険を過ごしてきた結果、お互いに恋愛感情が芽生え始めていた。だがまだそれを相手に告白する事が出来ずに、気が気でない日常を送っていた。

そんな中、スコットの弟のアレックスから電話が入り、スコットはアレックスの待つメキシコへと向かう事に。だがそのアレックスはミスティークの変身だった!そうミスティークは自分を置き去りにしたスコットへ復讐をするべく戻ってきたのだった!

サングラスを取られ、砂漠に捨てられるスコット。いつしか日は暮れ、野犬の群れに襲われるが、間一髪の所で地元の人に救われる。

その頃ジーンの機転で、スコットにピンチが迫っている事が発覚。スコットを救出すべくX-MENが出動する!

病院に収容されるも、サングラスが無いため自らの能力を制御できないスコット。街へと飛び出した所をミスティークに捕まってしまう。そしてミスティークとの戦いが始まる!スコットは「目を開けない」というハンデを乗り越え、ミスティークを倒す事が出来るのだろうか?


(解説)
第31話にてエリア51内に取り残されてしまったミスティーク。どうなったかと思っていたら捕まってたんですね。しかもスコットへの復讐心を燃やしているからたまらない。

一方スコットはスコットで、ジーンが気になってしょうがないわけですけども…じゃあ今まではどうだったの?って気がします。うーんただの女友達だったのかな?もっとも二人とも、本当に色々とありましたからね、特にシーズン2。そして成長を重ねて、ようやくお互いを理解しはじめることが出来たのでしょう。そんな二人がやはり今回の見所ですね。

しかしスコットの能力も普段は気付きませんが、かなりハンデを背負った能力ですよね。目を開くと誰かを傷つけてしまう可能性があるわけですから。まさに長所がすなわち短所にもなっているという所でしょう。それをあらためて実感させてくれます。しかしこの数話の流れを考えると、この「X-MENエボリューション」って主役はスコットなんですよね。これでまた成長して、よりリーダーらしくなってくれるのを期待しましょう。

ところでウルヴァリンのコスチュームが、こっそりと新しくなっている事に注目。あのマスクはやめてしまったんでしょうか?


(今日のツッコミX)
学園の修理をメンバー一同、能力を使ってやるわけですが…マルチプル、ローラーも増えるんだ!まあ確かに服も分裂しているわけだからなぁ…。しかし一体どんな仕組みに…?

第36話 「地下集団モーロックス」
(原題:X-Treme Measures)

(2004,8,14初放送)

(あらすじ)
スピア・スポーツ社。新しいスポーツドリンク「パワー8(エイト)」の発売を間近に控えたこの工場に、今何者かが侵入して破壊活動を行っていた。地下から現れたその影は?

学校にて、エバンはまた今日も嫌がらせを受けていた。度重なる嫌がらせについカッとなったエバンは、能力を使ってしまう!だがしかしそれと呼応するかのように、エバンの体に変化が発生していたのだった。

今日は「パワー8」発売記念のスケボー大会。エバンも皆の見守る中出場する。だが「パワー8」に口をつけた途端、エバンの体は苦痛に襲われた!苦しむエバンは能力を使ってしまい、会場は大混乱になる。だがその苦しむエバンをあの地下から現れた集団が連れていくのだった。

彼らはモーロックス。その外見により人間世界から住処を追われ、地下下水道に暮らしているミュータント達。彼らの話では「パワー8」はミュータントにとっては強烈な「毒」となるとの事。その廃液が工場から流れ出し彼らの住処を汚すので、彼らは自らの身を守るため工場を破壊していたのだった。その話を聞き、エバンもモーロックスと行動を共にする事を願い出る。

その夜、エバンとモーロックス達はまたもやスピア・スポーツ社の工場を襲う。だが警備員の発砲により、パワー8のタンクが横転。大量のパワー8が下水道に流れ込んできてしまった!バザーカーズの知らせによりX-MEN達が救出に入り、なんとか最悪の事態は免れた。だが自分の体の変化から、もはや人間世界で生きていけない事を悟ったエバンはX-MENを抜け、モーロックスと行動を共にする事をストームに話すと、下水道の中へと消えていってしまったのであった…。


(解説)
一期生の中では最年少のエバン。今までにもメンバー離脱の危機はありましたが、なんとか無事にくぐりぬけてきました。だけど今回、とうとうX-MENを抜ける事に。果たして再登場はあるのでしょうか?その時、彼はどこまで成長しているのでしょうか?そんなエバンの物語と、シーズン3からちらほらと出ていて謎のミュータント集団、モーロックスとの絡みが見所のお話であります。

モーロックスはもちろん原作コミックにも登場します。やはり社会ののけ者とされ、人目を避けるべく地下で暮らしていたミュータント達のことです。いわば第三勢力という感じでしょうか?ちなみにこのモーロックス大虐殺に、かのガンビットが関わっていたわけなんですけども…。

ところで一つ疑問が。二期生のバザーカーズなんですけど、なんだかモーロックスと知り合いだったかのような口ぶりですよね?一体何があったんでしょう?そういえば第32話で二期生は逃亡の末に、キャリバンと接触したらしい描写がありましたね。もしかしたらその時に知り合ったのかも知れません。


(今日のツッコミX)
え〜と…とりあえずキティの運転する車には乗りたくない!以上。