おくびょうなカーレッジくん全話ガイド2



第5話 「変身?モグラ人間」
(原題:Night Of The Weremole)


(あらすじ)
とある夜、畑仕事をしているミュリエル。と突然地面から現れた、凶暴なモグラに手を噛まれてしまった。そのせいで、手が何倍にも腫れ上がる。

手の腫れはひいた物の、何やらミュリエルの様子がおかしい。とミュリエルは突如として牙を剥き出し凶暴化!そのまま地面にもぐっていってしまった。

カーレッジが調べた所、ミュリエルが噛まれたのは「モグラ人間」。モグラ人間に噛まれた者は、やはりモグラ人間になってしまうのだ!そしてそれを元に戻すには、噛まれたモグラ人間の毛が必要なのだ・・・。

ミュリエルを元に戻すため、罠を張り待っているカーレッジ。でもやっぱり怖いよ〜!


(今日のゲスト)
モグラ人間、ヴィンダルー、パソコン

(解説)
今回はカーレッジが最も愛しているミュリエルがモンスターとなってしまうお話です。さすがのカーレッジも、ミュリエルをなんとか元に戻そうと四苦八苦。そんなカーレッジの奮闘ぶりが今回の見所でしょうか?特にウサギの着ぐるみを着たカーレッジがなんとも言えません。

ユースタスが、ミュリエルを木づちで叩こうとしていたのは、おそらく「モグラ叩き」をイメージした物では無いでしょうか?ただユースタスは「ネズミだ」と主張していましたが・・・。

さて今回登場した「モグラ人間」は、おそらく「オオカミ男」のような物でしょう。日本ではイマイチ知られていませんが、西洋においては「オオカミ男」は、噛まれた人間も「オオカミ男」となってしまいます。またミュリエルが満月を見て変身した辺りからも、「オオカミ男」と似た存在である事が解りますね。

今回は、カーレッジ一家の主治医であるヴィンダルー医師が初登場であります。この頃から、ヤブ医者ぶりを発揮していたんですね(笑)。

「ママのひみつ」
(原題:Mother's Day)
 
(あらすじ)
今日は母の日。ユースタスはミュリエルに薦められ、カーレッジと一緒に母親の所へ。

しかしユースタスの母親は、ユースタス以上にへそ曲がりで、せっかくやって来たユースタスに対し、温かい一言もかけずに、カーレッジの方を可愛がるばかり。これじゃあユースタスも面白くない。

そこでカーレッジはなんとか二人を仲良くさせようとするのだったが・・・? ミュリエルを元に戻すため、罠を張り待っているカーレッジ。でもやっぱり怖いよ〜!


(今日のゲスト)
ユースタスの母親
(解説)
ユースタスの母親の初登場です。この人も、ユースタスに負けず劣らずのいじわる。さしものユースタスもタジタジですね。ミュリエルも、それを知ってか知らずか、ユースタスの母親に会うのを拒否します。どうやら嫁姑関係はよろしくないようですね(笑)。でも夫婦仲は意外といいんだよなあ・・・。

見所は、やはりユースタスとママの関係でしょうか?ユースタスも人の子。さすがに母親に無視され続けてしまっては、少々寂しい様子ですね。そんなユースタスの意外な一面が、ちょっぴりうかがえる話だと言っていいでしょう。


第6話 「宇宙のアヒルブラザース」
(原題:The Duck Brothers)


(あらすじ)
とある夜、ミュリエルがUFOにさらわれてしまった!カーレッジが必死にユースタスを起こすも、ユースタスは信じない。ところがミュリエルはすぐに戻ってきた。だがその頭には、怪しげな機械がついていたのだ。

実はこれは宇宙からやってきたアヒルブラザースの仕業であった。程なくミュリエルはアヒルブラザースに操られ、軍の施設へと行く。アヒルブラザースは何やら探し物があるようだ。

それに付いていったカーレッジは、アヒルブラザースと遭遇!ミュリエルを救うべく、アヒルブラザースと対決する事になったのだが・・・。



(今日のゲスト)
アヒルブラザース、コック、軍人
(解説)
「おくびょうなカーレッジくん」の魅力の一つに、毎回登場する、個性的な悪役達が挙げられます。毎回毎回登場する彼らは、実はこのお話の真の主人公である、と言っても過言では無いでしょう。今回登場する、アヒルブラザースもまたそんな個性的な悪役の一組です。

まずUFOに乗っている事から、彼らが宇宙人であるという事が解ります。それにも関わらず、彼らは「アヒル」のような外見をしています。これだけでもかなりユニークなのに、更に何故か「金の卵」を産んでしまう、オスなのに!こういったどこかマヌケな設定が、キャラクターに実にユニークな個性を与えている、というのを見逃すわけにはいかないでしょう。

またさらに、彼らが「本当は悪人では無い」というのもポイントが高いですね。一見悪事を働いているように見えて、実は兄アヒルを助けようとしていた、という辺りちょっと泣ける設定です。ただせっかく助けたその兄弟が、すぐにケンカを始めてしまうあたりが、実にカートゥーンらしいんですけどもね。

操られたミュリエルとユースタスのバトル、そういえばこんなオモチャがありましたよね。そこでまたいちいちルールを決める辺りが、やはりカートゥーンらしい面白さになっていると言えるでしょう。


(今日のダジャレ)
アヒルブラザースがカーレッジからパンチをくらった時に・・・
「アヒッ!」
と叫びます。まあアヒルですから(笑)。
「ゆうれいと話そう」
(原題:Shirley The Medium)

(あらすじ)
カーレッジが農場から掘り出した、古臭い箱。それはユースタスの兄、ホルストの箱であった。そしてその箱の中には、お金がいっぱい詰まっているはずなのだ!

がめついユースタスは、早速箱を開けようとするのだが、どうにも開かない。だがしかしカーレッジは、なにやら不安を感じているのだった。

箱を開けるために、テレビで見た霊媒師シャーリーを呼び、直接ホルストの霊から箱のカギの在り処を聞き出そうとするユースタス。やっとの思いでカギの在り処を聞き出したユースタスであったが、ホルストは「箱は開けるな」と警告を残していくのであった。

当然ユースタスがそんな警告を聞くわけも無く、箱はとうとう開けられてしまった。だが箱の中から出てきたのは、巨大な「手」。ユースタスとミュリエルはその「手」に捕まり、箱の中に連れ去られようとしている!なんとかミュリエルを助けないと!どうする、カーレッジ!?


(今日のゲスト)
シャーリー、ホルスト(声のみ)、ガートルードおばさん(声のみ)
(解説)
今回はユースタスのがめつさが良く表れた話ですね。こうした「開けてはいけない」物を開けてしまい、悲劇が訪れるといった昔話や伝説は、洋の東西を問わず数多くありますね。そういった意味では、今回はある意味パターンなお話なのかも知れません。

今回登場するシャーリーは、後にも何度か登場するキャラクター。霊媒師という特殊な職業を活かし、時にはカーレッジの味方となり、また時にはカーレッジ達に(といってももっぱらユースタスですが)に災いをもたらす存在となります。

今回の見所は、「手」に捕まったミュリエル達を助けるため、洗濯紐を入手しようとするカーレッジでしょう。紐を手に入れるため、洗濯物を取り込むのですが、何故かドレスの所で、一瞬だけ動きを止めてしまう(笑)。そんなお茶目な所が、この作品の数多い魅力の一つでもありますよね。


(今日のアホ)
ユースタスと言えば、なにかにつけて「アホ!」と言うので有名。普段はカーレッジに対し「アホ犬!」と言っていますが、今回はまず、開かない箱に対して
「アホ箱!」
そしてその勢いで、
「アホ兄貴!」
とアホの二段攻撃!さすが毒舌ユースタスですね。

第7話 「三つの呪い」
(原題:King Ramses's Curse )


(あらすじ)
ある夜、車で逃走している怪しい二人組み。実は彼等は泥棒で、ラムセス王の「石版」を盗んでいたのだ。二人組みは、石版を一旦地面に埋めて隠し、ほとぼりが冷めてからまた掘り出しに来ようと企む。だが石版を埋め終えた二人を待っていたのは、ラムセス王の呪いであった・・・。

翌朝、偶然その石版を掘り出してしまったカーレッジ。ミュリエルとカーレッジはその石版を元の所へ返そうと言うのだったが、ユースタスはそれがとても高価で貴重な物だと知ると、俄然欲が出てきてしまう。そのおかげで、石版を引き取りに来た、フルツ博士にも「大金と引き換えだ!」などと言う始末。

だがついにカーレッジ達の前にラムセス王が現れた!「石版を返さないと三つの呪いが襲う」とラムセスは語りかけるが、ユースタスは断固として石版を手放そうとしない。そしてついにカーレッジ達の身に「三つの呪い」がふりかかってくるのだった・・・!


(今日のゲスト)
ラムセス王、フルツ博士、二人組みの泥棒
(解説)
今回のサブタイトルは、ズバリ「三つの呪い」。そもそも呪術的に見て、「三」という数字はかなり特殊な位置にあります。例えばランプの魔人が叶えてくれる願いは「三つ」だけですし、日本でも「三つのお札」などのお話があります。そう言えば、三蔵法師のお供は「三人」ですし、桃太郎のお供も「三匹」です。では何故「三」という数字は特殊なのか?それを語りだすと少し長くなるので、興味ある方はご自分で調べてみてください。とにかく今回のお話もまた、そうした昔話や伝説などに則った形で進行しているというのがお解かりになるかと思います。

また今回もまたユースタスのがめつさから物語が進展していくのですが、やはり昔話や伝説などでは「がめつい人間」がいて、その人物が最後ヒドイ目に遭って終わり、というパターンを踏んでいる事を考えますと、そういった意味では今回は二重のパターンで進行されているという事になりますね。

さて今回の見所は、やはりその「三つの呪い」でしょうか?あえて分類するならば、「水」、「音」、「虫」とでも言えるでしょうか?そしてそれら全てにカートゥーンチックな味付けがされている事に気をつけましょう。

特に注目すべきは、最初の「水」。突然家の中が水浸しになってしまうのですが、でもそれだったら「窓を開ければ」済む話だとは思いませんか?そうすれば少なくともそこから水は出て行きますよね?でもカーレッジのスタッフは、あえてそうしないで、地下室に何故か「栓」を置いて、それを抜いて水を追い出す、という事にしています。そう、お風呂と同じですよね。この辺りのユーモアのセンスが、ある意味、とても古典的なカートゥーンのパターンになっていると思います。

またラムセス王にも注目。彼の動きはどことなくヒラヒラしていますが、これはラムセス王がコンピューターを使用して描かれているため。それがまたラムセス王の不気味さを見事に演出していると言っていいでしょう。

ところで今回一つ気になったのは、何故ラムセス王は、あの石版を返してほしかったのか?という事。ユースタスが手放さなかったのは「高価」だからなのですが、でもラムセス王は、王様なのですから、きっとお金持ちでしょう。だったら別にあの石版に固執する必要は無いのでは?と思います。ラストを見た限りでは、この石版はどうやらラムセスの棺の下の台の一部の様ですが、それにしてもあの場所が無くなったって、どうという事はないと思います。

実は、今回最大のポイントはまさに「ここ」なんですよね。ラムセスが石版に固執する理由、それが全く見えてこないし、語られもしない。だからこそ「恐怖」が倍増しているわけです。カーレッジ達にしてみれば、わけのわからない内に、庭に石版が埋められ、わけのわからない内に、呪いをかけられている・・・。「恐怖」の原因が解るのならまだしも、今回はその「恐怖」の原因が解らない。そして実はそれってスゴイ「怖い」事なんですよね。

もし次にこのお話を見る時には、そういった所に注意して見られると、もっと面白くなるかも知れませんね。


(今日のダジャレ)
石版を売った金で何を買うのか、考えるユースタス。その時、カーレッジがポツリと一言・・・
「こわいっす・・・」
それを聞いたユースタスは・・・
「いいイスが買える!」
実に巧みな連携技だと言えるでしょう(笑)。

「なめられた水虫」
(原題:The Clutching Foot)

(あらすじ)
水虫が痒くって、どうにも眠れないユースタス。ミュリエル達が協力して、治療するもどうにも良くならない。ユースタスの水虫はどんどん悪化し、足がどんどん腫れていき、そしてとうとう水虫にユースタスが飲み込まれてしまった!

ユースタスを飲み込んだ水虫は、なんと意思を持って言葉を話す水虫だった!水虫はミュリエルを人質に取ると、カーレッジに命じて強盗をやらせるのだった。

だが強盗計画はことごとく失敗。そして水虫の隙をついて、カーレッジが調べ上げた、水虫の治療法とは・・・?


(今日のゲスト)
水虫、パソコン
(解説)
「おくびょうなカーレッジくん」は、何度も指摘していますように「ホラー」です。そして「ホラー」は、大別して三つに分類できると考えていいでしょう。まずは「サスペンス系」。これは前回の「三つの呪い」のような、派手な描写は無いものの、心理的に「怖い話」。そして次に「スプラッタ系」。これはまあ首が飛んだり、体が真っ二つになったりというお話。もっともこれって一番カートゥーンに近いんですが・・・。そして最後の一つが、まさに今回の「グロテスク系」です。

今回の敵は「水虫」!ユースタスの足があんな紫色になって、さらにおできまで出来ていて・・・。それが巨大化してしまったと考えるだけでも、かなり気色悪い!しかも、オチをばらしまうと、カーレッジが水虫を治すために「舐める」わけです。この話を、お食事時に見るのは、かなり勇気のいるチャレンジだと思います。

カーレッジには、時々こういう話があるのですが、唯一の救いは、そんな「グロテスク」なキャラクター達にも、どこか愛嬌とユーモアがある所でしょうか?これはまた後でじっくりと触れますが、特に今回の水虫はダジャレを連発してくれます。

見所としましては、ミュリエルのためなら銀行強盗をしてしまうカーレッジでしょうか?まさに「ミュリエルのためなら」ですよね。


(今日のダジャレ)
さて先ほどもチラリと触れましたが、実は今回は「カーレッジくん」のダジャレにとって、実は大きな転換点だと言っていいでしょう。それまではほんの一言二言しか無かったダジャレが、連発されるきっかけになったであろうお話です。そしてそのきっかけとなったのが、実は今回の「水虫」なのです。

そもそも「水虫」は「足」に出来ます。そんなわけで、この「水虫」は「足」に関連するダジャレをひたすら連発してくれるのです。ざっと挙げてみましょう。
悪しからず」
並そろえて」
がつかない」
蹴にされる」
手まとい」
ならし」
「俺たちにあしたは無い」
・・・などなど・・・。更に応用として「」に関連したダジャレも連発してくれます。

そして何よりすごいのは、これらのダジャレが全てお話の流れを壊す事なく、ごく自然に挿入されているという事でしょう。これはもう実際に見ていただければ一目瞭然なのですが、強盗を企む水虫のセリフとして、ごくごく自然にこれらのダジャレが出てくるのです。そういった意味では、まさに「ダジャレカーレッジ」はここから始まった、と言ってもいいでしょう。


第8話 「ドコドコ町の鐘」
(原題:The Hunchback Of Nowhere)


(あらすじ)
ある雨の夜・・・。一人の旅人が一夜の宿を求めて家々を巡っていた。だがしかしその男の醜い容貌のせいで、どこに行っても断られてしまうのだった。

そして男はカーレッジの家に来る。当然ユースタスには容姿を理由に断られるのだったが、だがこっそりと納屋に忍び込み、そこで旅人はカーレッジと友達になる。 更にミュリエルも旅人を受け入れるのだったが、ユースタスはただ一人旅人を拒否し続けた。

そしてその憂さを晴らすかのように、カーレッジにいじわるをするユースタス。それを見た旅人が、ついに怒りを顕にするのだった・・・!


(今日のゲスト)
旅人
(解説)
この「おくびょうなカーレッジくん」で、度々繰り返されるテーマとして、「容姿の醜い物は、必ずしも心が醜いわけでは無い」、あるいは「他人を容姿だけで判断してはいけない」というのがあります。今回も正にそのテーマで作られている作品でしょう。

そもそもこの作品は、「ノートルダムの鐘」あるいは「ノートルダムのせむし男」などの題名で知られる物語をベースとしています。なので知っている方には、より親しみやすいお話となっています。

今回の話は、ファンの間でも特に人気の高い作品となっています。醜い旅人の心の優しさ、そしてカーレッジとの心温まる交流。それが見所であり、もはや余計な説明は不要と言ってしまってもいいでしょうね。

「恋するガチョウ」
(原題:The Gods Must Be Goosey)
 
(あらすじ)
天界から地上を覗き見るガチョウの神様、彼は今ものすごく退屈していた。それは「恋」をしていないからだ。もしステキな恋が出来るならば、どんなにか素晴らしいだろうか!!

そんなガチョウの神様が見初めたのは、よりにもよってミュリエルだった!そこでガチョウの神様は早速ミュリエルにアタック開始!最初は相手にしていなかったミュリエルも、なんだかどんどんとその気になってきてしまう。

このままではミュリエルが天界に連れていかれてしまう!どうするカーレッジ・・・?



(今日のゲスト)
ガチョウの神様
(解説)
今回はまあ、ホラーと言っていいのやら?でもまあ相手が「ガチョウの神様」なので、いずれただならぬ存在である事は間違いありません。

そんなわけで、今回はガチョウの神様のミュリエルへの恋模様を楽しみましょう。BGMとして流れる、クラシック音楽が実にいい感じで盛り上げてくれますよ。

ところでこの神様、一体何の神様なのでしょう?彼が自由に花を咲かせたり、また冷たい風を起こせたり出来る所を見るに、どうやらおそらく「季節」の神様でしょうか?さらに言えば、おそらく「春」の神様なのではないかと推測できます。だって「春」は「恋」の季節ですからね・・・!


(今日のダジャレ)
ガチョウの神様が来る事に恐れをなしたカーレッジ。
「ガチョウがまた来たら、追い返してやる!ガチョーン!なんてね。」
「ガチョーン」というのは、クレージーキャッツの谷啓が得意としていたギャグです。これをやられたら、やられた方は絶対にズッコケなければいけません。それが「お約束」です(笑)。