第41話 | 「あんぽんタータン」 (原題:Rumpledkiltskin) (あらすじ) ミュリエル宛に一通の電報が届いた。故郷スコットランドのアンガソーおじさんからだ。・・・と言ってもミュリエルは、そのおじさんの事を知らないらしいのだが・・・。それはともかくその電報によると、ミュリエルの家に伝わる、特別なタータンチェックの作り方を知っている人間が亡くなってしまったとの事。つまりその織り方を知っているのは、ミュリエルだけになってしまったのだ。そこでミュリエルは、タータンチェックの織り方を教えるために、カーレッジを連れて故郷スコットランドへと里帰りする。 出迎えてくれたアンガソーおじさんに連れられ、二人は巨大な城へと行く。だが通された部屋は、どう見ても客室とは言えない代物。しかもおじさんはそこでタータンチェックを作れというのだ。 せっせとタータンを織り上げるミュリエル。だがおじさんは、明日の夜明けまでに5000枚のタータンを織れと言う。そう全てはワナ。アンガソーおじさんなんていなかったのだ! 幽閉されたミュリエルを助けるために、カーレッジは一人城の外へと脱出。そこでカーレッジは奇妙な光景を見る。あの偽おじさんが、自分の母親を城から追い出しているのだ。どうやらこの城の決まりで、あの男の「名前」を言うと、城から追い出されるらしい。 そこでカーレッジは、その決まりを利用するべく、その男の名前を聞き出そうとするのだが・・・? (今日のゲスト) 偽アンガソーおじさん、男の母親、ヒツジ達 (解説) ミュリエル故郷へ帰る、という所でしょうか?でもそれがワナだったのでは、たまったもんじゃありませんよね。 さて今回の男は、自分の名前を知られるのをすごく嫌がっていましたが、実は洋の東西を問わず、今回のように「名前を知られる」事を嫌がる、という昔話は多々あります。それは何故かと言いますと、名前には一種の「呪力」があると信じられていたからです。 例えば日本の昔話で、男に頼まれた鬼が川に橋を作る、という話があります。だが橋が完成した時、本当なら男は鬼に食べられてしまう所だったのですが、その鬼の名前を知っていたので、難を逃れた、という話があります。また海外でも、例えば悪魔などには、その名前で呼んではいけない、というような風習があります。そう言えば「パワーパフガールズ」にも、名前を呼ばれない「カレ」というキャラクターがいますし、また「ハリー・ポッター」シリーズでも、悪の大親分「ヴォルデモート」は、劇中では「名前を呼んではいけないあの人」などと呼称されます。 更に名前という事で見ていけば、子供にわざと変な名前をつけて、悪魔や妖怪の目から逃れさせるという風習もありますね。有名な所では、日本の戦国時代の武将、「豊臣秀吉」は自分の子供に「拾丸」、つまり「拾った子供」という名前をつけています。 つまり呪術の世界では、「名前を知られる」=「その人物を支配できる」という事なのです。例えば歴史上有名な「清少納言」や「紫式部」という名前も、これは本名ではありません。本名は伝わっていないのです。ただここで誤解して欲しくないのは、これは「女性だから名前をつけなかった=女性差別」のでは無くて、「呪術から保護するために、名前を明かしていなかった=女性保護」という事なのですよ。 この辺りは、追求していくと色々と面白いんですが、話が逸れるのでこの辺りにしておきましょ。ただし今回の男の場合、「あまりにも変な名前」なので、名前を呼ばれるのを嫌がっていたようですね。でももしかしたら秀吉の例のように、子供を災厄から守るために、わざとそういう変な名前をつけたのかも知れませんよね。 というわけで今回の見所は、この男の本名でしょうか?ここではあえて書きません。でも強いて言えば・・・ヒントが今回のサブタイトルって事でしょうかね? (2004.7.11追記) (今日のダジャレ) 珍しくミュリエルのダジャレを取り上げましょう。アンガソーおじさんを名乗った男を評してなのですが・・・ 「小柄な割にガラが悪いわね」 たまにはミュリエルも言いますね。 (今日のビックリ) カーレッジが 「あなたのお名前なんてぇの?」 と言いますが、これは トニー谷という人の持ちネタ。ソロバンを持って唄ったざんすよ! |
「動いちゃイエー!」 (原題:Housecalls) (あらすじ) ある朝、カーレッジ達は大地震で目を覚ます。だがそれは地震などでは無く、なんと家が動いている振動だった! ようやく振動が治まった頃、一人の男がカーレッジ達の家にやって来た。彼の名前はドクター・ゲルハルト。彼はお隣さんが出来た、と喜んでいる。カーレッジが外を見ると、なんと隣に家が!カーレッジ達の家はどうやらこんな所まで動いてきてしまったようだ。 カーレッジがゲルハルトの家を観察していると、なんとその家が呻き始めた!実はゲルハルトは、一人で暮らすのが寂しかったので、家に命を与える音楽を発明。それを自分の家に聞かせていたのだ。だがその家、彼女はものすごく嫉妬深く、新しいお隣さん、つまりカーレッジ達の家に嫉妬しているのだ! ゲルハルトの家は、ゲルハルトを無理矢理取り返すと、カーレッジ達の家に攻撃を始めた!このまま家と共につぶされてしまうのか? (今日のゲスト) ドクター・ゲルハルト、ゲルハルトの家(彼女)、その他 (解説) 荒野の一軒家で、お隣さんなんかいないカーレッジ達の家に、とうとうお隣さんが出来ました!しかも相手もずっと一軒家で暮らしてきた、いわば似た物同士。これにはお互いさぞや嬉しかった事でしょう。 このドクター・ゲルハルトは、音楽の力で家に命を与える事に成功しました。果たして家が命を持つとどうなるのでしょう?しかもその家が女性だったとしたら・・・? 家というのは、生活の中心になる所です。やはり普段から掃除や手入れなどをして、大事に扱うべきでしょうね。そうしないと、今回のゲルハルトのように、痛い目に遭ってしまうかも知れません。 ところで今回の話には、ちょっとしたこぼれ話が。「おくびょうなカーレッジくん」のシーズン4は、2003年5月からCNにて放送されました。だがその最初の放送の際、この第41話は放送されずに、それからしばらくして通常放送の時にようやく放送されたのです。それは一体何故でしょう? 実はこの2003年5月という時期は、丁度アメリカがイラクに戦争を仕掛けるの、仕掛けないの、と騒いでいる時期でした。そして今回の「動いちゃイエー!」を見ればお解かりいただけるんですが、一部に「戦争」をイメージさせる表現があります(・・・と言ってもたいした事無いんですけど・・・)。そのため、最初の放送の時には「世界情勢を鑑みて・・・」という理由で放送が自粛されてしまったというわけです。 でも正直な話、そんなに気にするような表現じゃないと思うのですが、いかがでしょう?それにそんな事を言ったら、ほとんどのカートゥーンは、過激な表現ばかりですしね? (今日のアホ) 嫉妬するゲルハルトの家を見て、ユースタスの一言 「このアホ家!」 そんな事を言うと、家に攻撃されますよ〜・・・。 |