おくびょうなカーレッジくん全話ガイド4



第13

「ちびっ子ミュリエル」
(原題:Little Muriel)


(あらすじ)
ドコドコ町に竜巻が発生!しかもミュリエルがその竜巻に飲み込まれてしまった!必死にミュリエルを助けようとするカーレッジ。やっとの思いで竜巻からミュリエルを救い出すのだったが、なんとミュリエルは三歳児になってしまっていた!

三歳のミュリエルは、とにかくワガママのやり放題。さすがのカーレッジも面倒見切れない程だ。なんとかしてミュリエルを元に戻さないと。でもそれにはどうしたらいい・・・?


(今日のゲスト)
ちびミュリエル、アナウンサー、ダイビングお姉さん、機長

(解説)
今回の相手は、なんと子供になってしまったミュリエル!これにはさすがのカーレッジもどうする事も出来ません。どんなにワガママ言われても、愛するミュリエルなのですから、下手に手出しは出来ないのです。もしかして最大のピンチでは?

しかし普段は優しいミュリエルが、子供になってしまうとワガママというのは、ちょっと面白いですね。でも良く考えると、子供なんてそんなモンでしょうか?つくづく母親というのは大変な仕事ですね。ある意味、竜巻よりも厄介な存在であると言えるでしょう。そんなワガママミュリエルに文字通り振り回されるカーレッジが、今回の見所であるといえるでしょう。

ちなみにドコドコ町があると思われる、カンサス州は竜巻がしばしば発生する所で有名です。あの「オズの魔法使い」で、ドロシーが竜巻に巻き込まれたのも、カンサスですよね。


(今日のダジャレ)
板の上を歩くちびミュリエル。心配したカーレッジが思わず
い目に遭わない内に、から降りて!」
と叫ぶのですが、このダジャレにはちびミュリエルから
「苦しいダジャレね!」
と厳しいツッコミが・・・。
「さあ!どうしまショー」
(原題:The Great Fusilli)

(あらすじ)
ある日、農場に移動ステージがやって来た。姿を現したのは、マジシャンのフジッティ。彼はミュリエルとユースタスに舞台に立つようにと、やたらと薦めるのだった。

薦められて舞台に立った二人は、いもしない観客の拍手にすっかり魅せられ、芸人として舞台に立つ事を決めた。

しかしなんだか嫌な予感がするカーレッジは、ミュリエル達と一緒に舞台に立つ。だがふとした事からカーレッジは、フジッティの目的が、人間を人形にする事だと知ってしまう!そして今まさにミュリエルとユースタスも人形にされてしまうのだった!


(今日のゲスト)
フジッティ
(解説)
古来より、人形などの人の形をする物には、なんらかの魔力があると信じられてきました。例えばある時にはその魔力を崇めるために人形を祀ったり、またある時には人形に災厄を宿らせて川に流したりなどです。確かに精巧に作られた人形には、時として命が宿っているのでは無いか?とびっくりさせられる事もありますよね。

今回登場するマジシャンのフジッティは、人間を人形に変えてしまう悪いヤツです。ただ最後彼自身も人形になってしまう事から、実はなんらかの黒幕がいて、彼はただその指示に従っていただけなのでは無いか?という推測も成り立ちます。文字通り、彼も操り人形に過ぎなかったわけですね。そう考えると、あの仮面のオブジェが一番怪しいんですが・・・。

それはともかく今回の見所は、ミュリエル達の芸でしょうか?特にカーレッジは実に見事なタップダンスを見せてくれます。いやまさにプロ級?

しかし今回は、フジッティが実にあっさりとやられてしまいます。しかもミュリエル達は結局元には戻っていないし。更にミュリエル達も人間に戻れません。その辺りがどうにも釈然としませんね。

またラストでカーレッジが、ユースタス人形を操って、わざわざ「ベロベロバ〜!」をやらせています。もしかしてカーレッジは、いつもユースタスに驚かされていますが、実はそんな日常をこそ望んでいたのでは無いでしょうか?そしてそんな日常を脅かす、非日常の存在である来訪者達を嫌っている・・・という事なのでしょうか・・・?

ところで今回の悪役、フジッティなのですが、英語などを見る限りでは本当は「フジッリィ」です。でも日本語版を聞いてる限りでは、「フジッティ」と聞こえます。なので、ここではあえて「フジッティ」としておきます。ご了承ください。


第14話 「キキカイカイ魔法の木」
(原題:The Magic Tree Of Nowhere)


(あらすじ)
新しく買った台所のカーテンについていた、オマケの種。カーレッジがその種を蒔いた所、見る見る育ち、巨大な大木になってしまった。

その大木はただの大木では無かった。なんと願いを何でも叶えてくれる、魔法の木だったのだ。ミュリエル達は、新しいオーブンや、新しいブルドーザーのおもちゃ、そして映画などを見て楽しんでいる。だがユースタスはそれがとても面白くなかったのだ。

ユースタスがふと口にした言葉のせいで、ミュリエルの脳ミソが増えてしまい、ミュリエルは病気に。ユースタスはそれを口実に魔法の木を切ろうとするのだが、カーレッジはなんとかして魔法の木を守ろうとする。

その時、魔法の木が突然口を開いて喋り始めた!魔法の木の言う事には、ミュリエルの病気を治す方法を三日後に教えてくれるとの事。だがその三日後には、魔法の木は切り倒されてしまう運命だと言うのだ・・・。


(今日のゲスト)
魔法の木、ヴィンダルー、うなぎ
(解説)
このお話より、シーズン2となります。シーズン1と2の違いは、まずオープニングのテレビに映る悪役。そして最後の「THE END」のカーレッジの画像などですね。

今回の見所としては、なんでも出来る魔法の木と、それに嫉妬するユースタスでしょうか?ユースタスは、確かに役に立ってはいないのですが、間違いなくこの家の「主」なわけです。ところが魔法の木の出現により、その「主」の地位を脅かされてしまうわけです。これはユースタスにとっては、大問題なわけなのです。「そんな事にこだわるなんて、アホじゃないか?」と思うかも知れませんが、これを読んでいるあなたも、もしもある時、自分の地位を脅かすような存在が現れたとしたらどうでしょうか・・・?

さて今回登場した魔法の木は、口の部分だけ実写合成で作成されています。実はこの手法は、アメリカなどでは比較的歴史も古い、ある意味「ポピュラー」な手法なんですよね。アメリカ人は、会話と唇の動きが合っていること、いわゆる「リップシンクロ」に非常にこだわります。これはそのこだわりの結果、生まれた手法なのです。有名なところでは、「クラッチカーゴ」などでも使われていましたよね。「クラッチカーゴ」について知りたい方は、 こちらを参照してください。



(今日のダジャレ)
砂のお城を作っているカーレッジ。
のお城、こわスナ〜」
砂だけに、細かいダジャレですね(笑)。
「だめだめロボット」
(原題:Robot Randy)

(あらすじ)
宇宙のある星で。ここに住む、心優しきロボットのランディは、仲間から「だめロボット」としていじめられていた。だがランディは自分が「だめロボット」では無い、という事を証明するために、ある惑星を一人で征服するべく出発した。その惑星は、地球であった・・・。

地球。ドコドコ町のカーレッジ達の家に着陸するランディ。ランディは早速カーレッジ達を奴隷として強制労働をさせる。だが夜一人でトナカイの彫刻を作るランディを、カーレッジはこっそりと見ていたのだった・・・。

そしてとうとうカーレッジとランディが対決することに!果たしてカーレッジはミュリエル達を解放することが出来るのか?


(今日のゲスト)
ランディ、ロボット達
(解説)
今回のお話は、「おくびょうなカーレッジくん」でもしばしば繰り返される、「自分らしく生きる」というテーマです。今回登場するランディは、仲間からは「だめロボット」と揶揄されますが、でも彼には「トナカイの彫刻」を作るという事にかけては、誰にも負けないという特技を持っています。周囲の目を気にせずに、自分の得意な事が何か一つあればそれでいい、これは今後、何度も出てきますので、憶えておいてください。

さて今日の見所は、ランディ対カーレッジでしょうか?カーレッジくんの勝負の特徴として、スポーツやクイズなど、全然関係ない事で決着をつけるというのがあるのですが、今回はダンス勝負!二人のダンスを楽しみましょう。


(今日のダジャレ)
ついにランディを怒らせてしまい、「これでおしまいだ!」と言われるカーレッジ達。でもそこで・・・
おしまい獅子舞は違うよね〜!なんてね。」
こんな時にも、ダジャレを忘れないとは・・・。さすがですね。

第15話 「空恐ろしいユースタス」
(原題:Curse Of Shirley)


(あらすじ)
ミュリエルとカーレッジは、ユースタスのバースデーパーティーの準備で大忙し。でも当のユースタスは、そんなパーティーには全く興味が無い様子。そこへシャーリーがやって来て物乞いを始める。ミュリエルもカーレッジも気前良く、シャーリーに色々を恵むのだったが、ユースタスだけは何もあげず、それどころかシャーリーを怒らせてしまう。

怒ったシャーリーはユースタスに呪いをかける。呪いをかけられたユースタスの頭上には雷雲が発生。一日中雨を降らせるのであった。

さしものミュリエルもこれにはたまらず、ユースタスを屋根の上に追い出す。だがユースタスはメガネを無くしてしまい、誰も彼もが怪物に見えてしまい、大暴れ。せっかくのバースデーパーティーは滅茶苦茶に。

見かねたカーレッジが、シャーリーの下へと行き呪いを解くよう頼むのだったが、呪いを解くには、ユースタスが「思いやりの心」を持たないといけないのであった。果たしてユースタスに「思いやりの心」は芽生えるのだろうか・・・?


(今日のゲスト)
シャーリー、ユースタスのママ、ヴィンダルー、その他・・・

(解説)
ユースタスのイジワルにスポットが当たったお話です。ユースタスはシャーリーに親切にしなかったために、あのような呪いがかけられてしまったわけですけど、でもこれってどう思います?

確かに他人に親切にする事は必要ですけども、物乞いを拒否しただけで、あのような呪いがかけられてしまうのは、ちょっと重過ぎるんじゃないかと思うのですが?まあユースタスには、普段の生活態度などもあるわけですが、でもちょっと見方を変えてみれば、物乞いをしている人間に対し、何かをあげるのは、決して強制では無いと思うのですが・・・?

そういった意味では今回のお話もまた、「わけがわからない内に災難に巻き込まれてしまう」というパターンだと言う事が出来ますね。そして「理由が解らない」からこそ、そこに「恐怖」が生まれてくるわけなのです。

見所は、ユースタスが「思いやりの心」を持つかどうか?という所。そしてそれは実に意外な所にカギがあるわけなのですが・・・。

(2005.3.27追記)
minkさんという方からご指摘いただきましてようやく気付いたんですが、この話ってディズニーの「美女と野獣」のパロディですね。あちらでもやはり王子が物乞いに対し、冷たく接する事で呪いをかけられてしまいます。また「思いやりの心」が呪いと解く鍵となっているあたりも、似ていますし、クライマックスが雨の降りしきる屋根の上なのもかなり意識しているのではないでしょうか?
minkさん、ご指摘ありがとうございました!


(今日のギャグ)
カーレッジが自分の金歯を抜き、最後に
「のんきだね〜」
と言います。これは大正時代に流行った「のんき節」の一説に
「はは、のんきだね」
とある所から、来た「歯」と「はは」を引っ掛けたギャグでしょう。いや〜、カーレッジのギャグは奥が深いっすね〜。
「どきどきニューヨーク」
(原題:Courage In The Big Stinkin' City)

(あらすじ)
チタールのコンテストで優勝したミュリエル。ニューヨークのミュージックホールにてチタールを演奏するという栄誉に見舞われた。

ニューヨークへ来る、カーレッジご一行。ホールに着いたのはいいのだが、待っていたのは、「エイブ」を名乗る怪しい虫。カーレッジは例によって嫌な予感を感じるのだが、ミュリエル達は何も疑わずに着いていく始末。

案内された楽屋がこれまた怪しく、人骨やらなにやらが散らばっている。とエイブがカーレッジに何やら命令をする。

その命令とは、これからとある場所へ行き、そこに置いてある「箱」を持って来いという物。もし公演開始に間に合わなかったり、警察に知らせたら、ミュリエルの命は無い!と脅されてしまう。

そしてカーレッジは「箱」を求めて旅立つのだが、その「箱」は「悪魔の箱」という、いわくつきの「箱」であったのだ・・・。


(今日のゲスト)
エイブラ虫のエイブ、警官、ディ・ラン、マットの配達人、その他・・・
(解説)
今回は舞台をニューヨークに移してのお話。なので舞台が高層ビル街、古びたマンション、そして地下鉄と目まぐるしく変わります。

さて今回登場のエイブラ虫のエイブですが、エイブラ虫とはなんでしょう?劇中で本人も「アブラムシじゃない」と否定していますが、やはり「アブラムシ」が正体なのでは?と思います。ちなみに「アブラムシ」とは、もちろんその名前の虫もいますが、実は「ゴキブリ」の別名。つまりエイブはゴキブリなのですね。

舞台がニューヨークだからでしょうか、今回はゲストもなかなか多いですね。まずはディ・ラン。それから「悪魔のマットレス」に出てきた配達人。それからカーレッジがマンションの一室を開けた際に、どういうわけか日本の怪獣映画で有名な「キングギドラ」も登場。でもこれって・・・???

そんなわけで見所は、やはり地下鉄内での警官とのチェイスでしょうか?カーレッジとしては助けを求めたいのでしょうが、やはりミュリエルの事を考えるとそうもいかない。そんな緊迫感が溢れているといえるでしょう。


(今日のダジャレ)
地下鉄内にて警官が、運転室にいるカーレッジを見て・・・
ワンワン運転だ!」
といいますが、これは恐らく
ワンマン運転」
にひっかけた物でしょうね(笑)。さらにこの警官は、
事故になるよ!自己嫌悪!」
と更にダジャレを連発。意外と話の解る警官かも??

第16話 「家族はいかが?」
(原題:Family Business)


(あらすじ)
ある夜、なにやらキッチンで物音がする。カーレッジが様子を見に行くと、なんとそこには泥棒が!!

泥棒はカーレッジに、後から来たミュリエルとユースタスを縛り上げるよう命令。自分は警備隊の様子を見に行くのだが、戻ってきた泥棒はなにやら様子がおかしかった。

泥棒は、カーレッジを「ナイジェル」、ミュリエルを「マッシュポテトおばさん」、ユースタスを「つま先ピカピカおじさん」と呼び、自らを「バージル」を名乗ると、家族団欒を始めたのだ。また泥棒に戻っては困るので、それに合わせるカーレッジ達。

とバージルは、家族全員で悪い事をしよう!と言い出し、カーレッジ達をラシュモア山へと連れていくのだった・・・。


(今日のゲスト)
バージル(泥棒)、警備隊の人達
(解説)
「カーレッジくん」には、いわゆる「変な人」がまあいっぱい出てくるわけなのですけど、今回登場する泥棒のバージルは、その中でもトップクラスの「変な人」でしょう。なにしろ泥棒なので怖い人かと思ったら、突然カーレッジ達を家族と思いこんでしまうのです。しかも何か「きっかけ」があるわけでは無い。一体彼は何故このような行動に出てしまうのでしょうか?

まず考えられる可能性としては、実際にバージルにあのような家族がいたという可能性。そしてその記憶が、ふとした事で甦り、現実と記憶の区別がつかなくなってしまうという物。そしてもうひとつの可能性が、あの「マッシュポテトおばさん」や「つま先ピカピカおじさん」達は、バージルの「空想上の」家族では無いかという事。解りやすく言えば、彼の考える「理想の家族」なのでは無いかと思います。

特にもし後者だと考えると、彼は恐らく家族に恵まれない寂しい生活をしてきたのでは無いか?と考えられます。なのであのような「理想の家族」を頭の中に思い描いていた。ところがその家族が、たまたまカーレッジ達と酷似していたために、空想と現実の区別がつかなくなったのでは・・・?というわけです。でもそのおかげで、彼は家族の本当の温かさを知る事が出来、泥棒から足を洗う事が出来たのですから、まあ結果オーライって所でしょうね。


(今日のギャグ)
バージルを助けるべく、リンカーン像の耳の中に突入するカーレッジ。でも耳くそがたまっているので、まずは「綿棒」を持って耳そうじ。でもその際に・・・
「チャッチャラチャチャ〜、ウ〜メンボ〜!」
って、それは「マンボ!」じゃい(笑)!!
「そんなバナナ!」
(原題:1000 Years Of Courage)

(あらすじ)
ある日、巨大な隕石が地球に衝突。そのせいで地球が大回転してしまい、更にその影響で時間が超スピードで過ぎてしまった!

地下に埋まってしまったカーレッジ達。やっとの思いで地上に出ると、そこはバナナに支配された世界だった!

カーレッジ達はバナナの着ぐるみを入手し、町を探索。と、全ての謎が解き明かされるという「バナパラダイス」という場所の存在を知る。自分達の時代へ帰る方法が見つかるかもしれないと思ったカーレッジ達は、バナパラダイスへ来るのだったが、実はそこには恐るべき陰謀が渦巻いていたのだった・・・。


(今日のゲスト)
バナナ達、はぐれバナナ、モンキーバナナ、ボスザル
(解説)
「ナスがまま」に引き続き、今度はバナナが大活躍!「カーレッジくん」ファンの間でも人気の高い、まさに「名作」と言えるでしょう。

なにしろ世界がバナナに支配されているという、実にカーレッジらしいSFセンスに溢れたお話。また随所に挿入されているダジャレの数々も、いよいよもってスタッフが乗ってきたなあという感じがします(笑)。 さらにエンディングも、オリジナルの「バナナの歌」となっています。

もうとにかく今回は余計な説明は不要!「おくびょうなカーレッジくん」の魅力がぎっしりと詰まった、まさに「最高傑作」と呼ぶにふさわしいお話なのです!絶対見るべし!