おくびょうなカーレッジくんパイロット版



「おくびょうなカーレッジくん」には、パイロット版フィルム(試作品)があるのをご存知でしょうか?

「おくびょうなカーレッジくん」を全部見た!という方でも、どうしても腑に落ちない話があると思います。それは「チキンの逆襲」「宇宙には2羽以上のニワトリ」の二本。何故なら前者は「逆襲」というタイトルが示す通りに、 かつてカーレッジにやられた宇宙ニワトリが、カーレッジに復讐するという話。そして後者は、その宇宙ニワトリの息子達がカーレッジに復讐する、という話。

ところが肝心の、「宇宙ニワトリが最初にカーレッジにやられるお話」がどういうわけか放送されません。これは一体どういう事でしょう?

実はその話こそ、「おくびょうなカーレッジくん」のパイロットフィルムなのです。海外原題を「Chicken From Outer Space」。日本語タイトルを「宇宙ニワトリの侵略」と言います。まさに「第0話」と言ってもいいでしょう。

そもそも「おくびょうなカーレッジくん」は、カートゥーンネットワークの「カートゥーンカートゥーンズ」という枠に入っています。そしてこの枠は、文字通り様々な番組の「勝ち抜き」となっています。新人に作品を作らせ、その中で面白かった物を視聴者投票で決め、好評だった作品をレギュラーとして制作する、というシステムを取っています。もちろん「デクスターズラボ」や「パワーパフガールズ」なども、そこを勝ち抜いてきました。そしてその「宇宙ニワトリの侵略」は、まさにその「勝ち抜き」のために製作されたエピソードだったのです。

これは今見ると、キャラクターの雰囲気などがかなり違います。また10分程度の短さのため、通常放送には組み込まれていません。ちなみに日本ではこの作品は日本語吹き替え版も製作され、、一時期「ホワット ア カートゥーン」枠などで見れたようなのですが、現在ではスペシャル企画などの特殊な枠以外では放送されていないようです。

ただこの中に、現在の「おくびょうなカーレッジくん」のまさに基礎と言える物がびっしりと詰まっています。そこで今回は特別に画像の一部を、(こっそりと)ご紹介したいと思います。


特別ロードショー
第0話「宇宙ニワトリの侵略」
タイトル画面。一応今と同じ雰囲気ではある。
見よ、このカーレッジを!はっきり言って可愛くない!
農場の平和な一時。

ユースタスとミュリエルも今と大まかなデザインは一緒なのだが、なにしろ「線」が違うので、かなり違って見える。

「ベロベロバー!」が早くも存在する事に驚き。しかもお面のデザインはそのまんまである。
そこへやって来る円盤。

円盤はCGで作られている。また農場なども本編の設定に近いようだ。

目ん玉ビックリカーレッジ。
宇宙ニワトリ登場!
必死に訴えるカーレッジ。

変身ギャグは早くも存在するのだ。

宇宙ニワトリの陰謀で、ニワトリ小屋に閉じ込められるカーレッジ。

脱出しようと、様々な物を出すギャグを早くも披露してくれる。

あれこれ想像を巡らしてしまうのも今と同じ。
宇宙ニワトリのタマゴを食べてしまい、ニワトリ化するユースタス。
宇宙ニワトリと勝負!

・・・は相変わらず関係の無いゲームでつける。

すったもんだの末、宇宙ニワトリは自分が放ったレーザービームでローストチキンになってしまう。

そう、これが「チキンの逆襲」に繋がってくるのだ。

そしてユースタスもやられてしまっておしまい。

この終わり方も今に通じる所がある。


いかがだったでしょうか?実はこの話にはセリフがほとんど出てきません。ラストにカーレッジがちょこっと喋る程度。それが通常放送に組み込まれない原因の一つでもあると言えるでしょう。

だがやはり特筆すべきは、現在の「おくびょうなカーレッジくん」の基本的な部分がほとんど完成しているという事。特に「ベロベロバー」のお面のデザインは、今と全く一緒なのです。

ただやはりカーレッジなどのキャラクターに「可愛さ」が足りないですよね。なので今のデザインにマイナーチェンジを加えたのは正解だったと言えるでしょう。

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