KNDハチャメチャ大作戦全話ガイド1



第1話 「敵のデザートを奪え!」
(原題:Operation: C.A.K.E.D. )

(初放送 2004.9.4)

(あらすじ)
今日は通りの向こうのおすましキッズ達のバースデーパーティー。そこへ我らがKND登場!目的はバースデーケーキを奪う事。
ところがそれは罠だった?KNDはパーティーゲームをやらされる事に。更に怖いモンスター、ビッグ・バッド・思春期に変身するローラも一緒だ。どうするKND?
(今日の敵)
おすましキッズ、ローラ(ビッグ・バッド・思春期)
(解説)
…というわけで、KNDの第一話であります。正直まだキャラクターが十分に立っていないのですが、それでも役割などはすでにこの頃から考えられているようです。その辺りに注目して見ると面白いかも?
というわけで今回の見所は、やはりローラに脅かされつつも、ゲームをやるKNDメンバーでしょうか。後ろの方で、部屋に入ろうと必死になっているナンバー2がいい味出しています。
(オトナの解説)
さてさてこのコーナーは、ちょっと深い考察をするために、時々出てきます。

この話、皆さんはちょっと違和感を感じませんでしたか?今回をもう一度見直してみると、おすましキッズはただバースデーパーティーをしているだけです。そしてKNDは、そこへなんの理由も無しに飛び込んできて、いきなりケーキを奪おうとしているのです!後の話を見ると、おすましキッズは悪役であり、また今回も一応、集まった子供達に無理矢理歌を唄わせている描写がある事から、一応おすましキッズが悪役である、という事は解るようになってはいるのですが、それでもやはりこの話の展開では、KNDが悪役?と勘違いしてしまう人もいるかと思います。

これは後のエピソードでもまた出てくるのですが、KNDはその活動において、一歩間違うと「テロ活動」になってしまう事を多々やっております。今回のも、ぶっちゃけ泥棒行為に他なりません。でもそれが許されるのは、彼らが物語り上の「正義の味方」だからなのですが、時としてその描写が無い場合があったりするのです…。
これはまた後々語っていくとしましょう。
「ケニーとチンピー」
(原題:Kenny and the Chimp Diseasy Does It)

(あらすじ)
ケニーとペットでチンパンジーのチンピーは、近所に住むギリギリ教授に呼ばれて、教授の研究の手伝いをする事となった。
ところがチンピーが大騒ぎして大変なことに…!
(解説)
今回の話はKNDではありません。ただ全く無関係な話かと言うと、実はそうでは無く、元々「KND」の原作者のWarburton は、この「ケニーとチンピー」の方をメインに考えていたようです。そう言えば今回登場するギリギリ教授は、KNDの後のエピソードにも登場しますしね。

ただ正直言ってこの話、ただドタバタしているだけで、まとまりが無いなあというのが正直な感想です。それにストーリーもどこか古臭く、それでいてギリギリ教授の腕がカニの腕になっていたりと、どこかグロい。そんなアンバランスさをも兼ね備えています。正直言って、これがメインにならなくて良かったかも(笑)。
見所としては、やはりドタバタでしょうか?でもどこか悪趣味なんだよなあ…。
「プールを取り戻せ!」
(原題:No P in the OOL)

(あらすじ)
町のプールが大人達に占拠された!大人のプール使用時間が延長され、子供の入る時間が無くなってしまったのだ。これを見かねたKND出動!プールに対して突撃を決行した。
ところがプールの監視員である、ウインクとフィッブにより、あえなく撃退。子供用の小さいプールへとおいやられてしまう。
だがこのまま黙っているKNDでは無い!早速キッズカタパルトを使いプールを占領するのだった。だがその時…。
(今日の敵)
ウインクさんとフィッブさん
(解説)
この話がKNDのパイロットフィルムとなります。つまり実質的な第一話という事です。絵柄とかに若干の違いがありますね。

第一話という事もあって、話も極めてスタンダード。単純な「大人VS子供」という図式ですね。ここで巨大ロボが出てくるあたり、どうも「パワーレンジャー」辺りを意識しているんじゃないかと思ったんですが、ただ後のエピソードを見ると、決してそれだけじゃない、という事は良く解るかと思います。

第2話 「アイスクリームを奪え!」
(原題:Operation: I.-S.C.R.E.A.M.)

(初放送 2004.9.4)
(あらすじ)
KNDの今回のターゲットは、移動アイスクリーム売りの車。近頃、子供達がアイスを買おうにも、車がちっとも止まってくれないという事件が多発しているのだ。そこに陰謀のニオイを嗅ぎつけたKNDは、アイス販売車を急襲。工場へ侵入するためのパスワードを入手した。
まんまとアイスクリーム工場へ潜り込んだKND一同。これでアイスを奪っていけば任務完了だ。だがどうにも事が簡単に進みすぎる。
ナンバー5の予感は当たった!実は全てはおすましキッズの仕組んだ「罠」だったのだ!どうするKND?
(今日の敵)
アイス販売員達、おすましキッズ、アイスモンスター
(解説)
今回のエピソードも、極めて典型的なKNDの活躍を描いています。それも前半のチェイスシーン、そして中盤の工場潜入シーン、そしてクライマックスのアイスモンスターとのバトルと、ステージがぐるぐる変わり、飽きさせない構成となっています。特に前半のチェイスシーンは、なかなかスリルがあって見ごたえのある物となっています。
また改めて良く見ていくと、すでにキャラクターの描き分けが実に丁寧に行われている事に気付きます。リーダーのナンバー1、メカに強いナンバー2、無邪気なナンバー3、威勢のいいナンバー4、そしてクールなナンバー5。一度だけではこういった発見は難しいと思いますので、機会があれば何度か見返してみるのもいいでしょう。
「ハマグリ大砲を作れ!」
(原題:Operation: C.A.N.N.O.N.)

(あらすじ)
ナンバー1が単独任務(実は家族と一緒に遊園地)へ行ってしまった。おかげで他のKNDメンバーはすっかりだらけ気分。ところがそこへ敵が襲来!防衛網のスイッチをナンバー1が入れていかなかったからだ。
このままではいけない!ナンバー4は一人奮い立ち、ナンバー5のアイデアを元に、巨大な「ハマグリ大砲」を作る事にする。だがしかしすっかりリーダー気取りのナンバー4は、皆に夜も寝ないで重労働をさせ、全員がフラフラになってしまう…。
(今日の敵)
ケツたたき伯爵スパンキュロット、お上品パトロール、おすましキッズ
(解説)
いつも威勢だけはいいものの、ついつい調子に乗って失敗してしまう、ナンバー4の主役エピソードであります。今回はそんな彼の魅力がタップリと言えるでしょう。しかもいつの間にかリーダー気取りだし…。しかし結局彼にはリーダーは務まらなかったわけですが…。でもそうすると、何故ナンバー4はリーダーになれずに、ナンバー1の方がリーダーとしてふさわしいのか?やはりナンバー1には、他人から信頼され、他人を動かす一種の才能、すなわちカリスマがあるという事なのでしょう。

さて今回は実はナンバー5が「女の子」である、という事は初めて明確になるエピソードでもあります。お上品パトロールのせいで、お上品な服装にされたとき、ナンバー5はセーラー服になってしまうんですよね。もっとも実は第1話「プールを取り戻せ!」でも、彼女はビキニの水着を着ていたのですが、あの体型では、ちょっと解りにくいのです。
でも元々彼女は英語版でもしゃがれ声ですし、男性が声をあてていても、特に違和感は無いと思うのですが、どうでしょうか?
(オトナの解説)
さて今回は実は「KNDの家族」が初めて出てくる話でもあります。まずはナンバー1の父親と母親(声だけ)。今回ナンバー1は家族で遊園地に出かけます。という事は、彼ら「KND」は家族とは離れていないという事です。それなのに、彼らは基地で寝泊りしているのです。普通リーダーが不在なら、家に戻ってもいいと思うのですが、一体どういう事なのでしょうか?
この辺りが「KND」の、ちょっと不思議な世界観を形成するのに役立っているのでしょうね。

第3話 「最後はゴムバンド」
(原題:Operation: N.O.-P.O.W.U.H.)

(初放送 2004.9.5)
(あらすじ)
今日もおすましキッズの配下の大人たちが次々と、ツリーハウスに攻めてくる。だがしかしKNDのハイテク秘密兵器の前では、さすがの彼らもたじたじだ。なにしろKNDの電力はハムスターにより供給されており、ほぼ無限に電力を得る事が出来るのだ!
…ところがそのハムスター達が、ナンバー3のせいで一斉にバカンスに出かけてしまった。おかげで基地は停電状態。
そこへまたしても、おすましキッズの刺客が攻めてきた!相手は子供にマズイ物を無理矢理食べさせようとするおばあちゃん!果たして電気の無い状態で、KNDは勝てるのだろうか…?
(今日の敵)
おすましキッズ、ケシカラン青少年撲滅父母アンド教師の会、グラファムばあさんと食べ物軍団
(解説)
今回はナンバー2の活躍するお話。彼はKNDのメカ担当ですが、やはりと言うか期待通りといいますか、大食いでもあるようです。そんな彼の活躍と、そして襲ってくる食べ物達との戦いが、今回の見所であります。
しかしKNDは電力をハムスターでまかなっているんですね。まあその辺りが「らしい」といえば「らしい」のですが…。
「きたない歯を守り抜け!」
(原題:Operation: T.E.E.T.H.)

(あらすじ)
今日は特に何もない平和な一日。そこでナンバー3が街へお菓子を買出しに行った。ところがそこでナンバー3は何者かに襲われ、歯がキレイになってしまったっ!
そこで今度はメンバー全員でお菓子を買出しに行く事に。途中で歯科医のドクター・ディーフにジャマされるが、なんとかジェリーのお菓子屋に到達。満面の笑みでお菓子を手に入れるKNDメンバー。
だがその帰り道、ナンバー4が攫われ、歯に矯正をつけられてしまう。そして今度はナンバー2と5も犠牲に!
そこでKNDは犯人に対し罠を張る事に。罠にかかったのは、ナイトブレイス。メンバーの歯をキレイにしてしまう、果たして彼の正体は…?
(今日の敵)
ナイトブレイス
(解説)
え〜っと、歯がキレイになるのは、それはそれでイイ事のような気がするんですが、気のせいでしょうか(笑)?まあ子供達にとっては、歯磨きなんか面倒くさいだけだし、歯なんか汚くっていいじゃないか!という事なのでしょうね。
今回はナイトブレイスとの闘いが見所でしょう。いちいち歯に関係のある武器を使って攻撃してくるあたり、なんとも言えないです。こーゆーバカバカしさは、個人的に大好きですね。そしてナイトブレイスの正体は?
…それで今回の事件解決のカギとなる、「ターフィー」というお菓子なのですが、あまり日本では聞いた事が無いので色々調べてみたんですが、ちょっと解りませんでした。ご存知の方、情報提供お願いいたします。
ところで今回のオチ、普通の日本アニメなら「やっぱり歯はキレイにしておかないとね!」みたいな感じなるのでしょうが、そうならないのがカートゥーンの面白い所ですよね。

(2004.10.18追記)
掲示板にいただいた情報では「ターフィー」では無く「タフィ」だとの事。なるほど、調べても見つからないわけだ…。その肝心のタフィですが…ピーナッツタフィの作り方…を参照していただければ解りますように、まあ要するに歯にくっつきやすいキャンディですね。キャラメルと言った方がイメージ近いのかな?
つまり歯医者が歯に悪い物を大好きだった…って事なのですね。
(情報提供はmassangeanaさんとゼロセットさんです。ありがとうございました!)

第4話 「キャンディを守れ!」
(原題:Operation: P.I.R.A.T.E.)

(初放送 2004.9.5)
(あらすじ)
とある平和な一日、ナンバー5はどこからともなくとっておきのキャンディーを出してきて、皆で食べようとするのだった。とそこへ突然海賊が出現!その海賊スティッキーベアードはツリーハウスのキャンディを全て奪ってしまったのだった。
自分のとっておきのキャンディーをも奪われたナンバー5は、キャンディを取り替えそうとするも、あえなく捕まってしまい、彼らの海賊船へと連れていかれてしまう。
捕まって縛られてしまうナンバー5.だが機転を効かせて縄を抜けた彼女は、奪われたキャンディを取り返し、脱出しようとする。だがそこを見つかってしまい、再び捕まる事に。ナンバー5の勇気を気に入ったスティッキーベアードは、彼女を自分の後継者としようと企むが、ナンバー5はこれを拒否!怒ったスティッキーベアードにより、ナンバー5は処刑されようとしていた。どうする、ナンバー5!

(今日の敵)
スティッキーベアードと海賊達
(解説)
KNDのサブリーダー的役割を持つ、ナンバー5の活躍話であります。
彼女の魅力は、常にクールである所。そして己の信念に基づいて行動しているという所でしょうか?そんな彼女なので、キャンディ海賊のリーダーになれる、というある意味「おいしい」話を蹴ってまで、仲間の所へ帰ろうとするシーンは見所ですね。
今回登場のスティッキーベアードもなかなかいい味を出しています。こういう何か一つのモチーフにこだわったキャラクターってのは、なかなか面白いんですよね。彼もどこかとぼけていて、それが逆に魅力となっております。彼らの海賊船が、地上を走行しているというのもまた面白い所。なかなか迫力ある映像に仕上がっていると思いませんか?
「カウガールを救え!」
(原題:Operation: C.O.W.G.I.R.L.)

(あらすじ)
KND今日の任務は、フィッブとウインクから秘密のドームを奪う事。だがしかし彼らの執拗な攻撃に遭ってしまい、大ピンチ!ところがその時、謎の影がKNDを助けるのだった。
KNDが目を覚ました所は、ボロボロのツリーハウス。そこの主、カウガールのラッソラスに彼らは助けられたのだった。ラッソラスはすでに大人なのだが、それでも大人と戦い続けているのだった。だがそんなラッソラスに対し、ナンバー1は反発。言い合いの末、ラッソラスは一人でフィッブとウインクからドームを奪ってくる事に。
だがラッソラスは捕まってしまった!なんとかして助けにいかないと…。どうするKND?

(今日の敵)
ウインクさんとフィッブさん
(解説)
このKNDの世界では、子供と大人は日夜戦いを繰り広げています。ところが大人でありながら大人と戦いつづける、今回登場したラッソラスのような人もいるのですね。だけどそのラッソラスはどうにも古臭くって…。そんなラッソラスとKNDの活躍が今回の見所でしょうか?ウインク、フィッブとの因縁も興味深いところですね。
(オトナの解説)
さて今回登場したラッソラスはいわば「大人になる事を拒否」したわけです。そういうと真っ先に思い出すのは「ピーターパン」だったりするのですが、最大の違いはラッソラスは嫌でも「成長してしまう」という事でしょうか?ラッソラスは体は大人でありながら(しかも入れ歯になっている位の年齢)、まだ子供の気分でいるわけです。これははっきり言ってしまえば「痛い」キャラなわけです。しかも子供であり続けるわけですから、当然働いてもいないわけで、それゆえに彼女は貧乏なのです。ツリーハウスもトレーラーハウスから生えているのですから。もちろん子供でい続ける、というのはおそらく誰しもが憧れるシチュエーションではあるわけですが、実際にはそう上手くいかないのです。ナンバー1だけは、それを敏感に察知したのでは無いでしょうか?
さて対照的に「大人にならざるを得なかった」人達が出てきます。ウインクとフィッブです。今回の話を見れば解りますが、実は彼ら二人は元々ラッソラスと同じチームのメンバーでした。だがしかしダンスパーティーで一緒にダンスを踊れなかった、つまり「失恋」の痛手を受ける事で、大人へと成長したと理解する事が出来ます。それでもわざわざカツラをつけて、彼女への想いを打ち明けようとする辺りが涙を誘ってしまいます。
この大人と子供の関係というのは、後のエピソードでも何度か語られる事になります。なにしろ大人はかつて自分達が子供であった事を忘れ、子供は自分がいつか大人になるという事を理解していないのですから…。