デクスターズラボ全話ガイド20



第77話
(#77)
「未来のラボ」
(原題:The Lab of Tommorow)

(2003/11/11初放送)

(あらすじ)
さて今日は皆さんに、未来の生活を見ていただきましょう。未来では、パパやママ、ディディでさえも、一人ずつ秘密のラボを持つようになります。さあ、そこではどんな世界が待っているのでしょうか?それでは未来の生活を覗いてみましょう・・・。
(解説)
ナレーターによる語りで進行する今回のお話。ちょっと見ると、第46話の「ブラックフット」にひどく似た印象を受けます。

そしてそのナレーションに沿って、紹介される「未来のラボ」の生活。それぞれにアイデアが凝らされていて、見ているだけで面白いのですが、果たして今回のお話は一体なんなのでしょうか?自分が思うに、実は今回のお話は「パロディ」なのでは無いかと思います。

「テックス・エイヴリー(アヴェリー)」というカートゥーン作家がいます。「トムとジェリー」や「ドルーピーシリーズ」、「バッグスバニー」など様々なカートゥーンの制作に関わった方です。その方の作品の中で「トゥモローシリーズ」というのがありまして、これが要するに、「未来の生活」をカートゥーンで面白おかしく表現したシリーズなのですが、実は今回の「未来のラボ」は、そのシリーズのパロディなんじゃないかと思うんですよね。それが証拠に、英語原題は「The Lab of Tommorow」となっておりますし。ただその肝心な「トゥモローシリーズ」を、自分は残念ながら見た事がありませんので、断言は出来ないのですが・・・。
(参考文献:「唐沢俊一・眠田直 トゥーン大好き!」)

「鳥男の恐怖」
(原題:Chicken Scratch)

・・・実は今回のお話は、「パワーパフガールズ ザ・ムービー」と同時上映された 「ニワトリ男の恐怖」 と全く同じ作品です。ただタイトルがどういうわけか「ニワトリ男」から「鳥男」になってしまっている。何故でしょう?

そもそもこのエピソードは、本来シーズン3の一つだったお話なのですが、それを映画に持ってきたわけです。そういうわけなので、今回ようやく通常エピソードに組み込まれ、元の鞘に納まった、という事なのでしょうね。

しかし何度も言いますけど、どうしてこれを映画に持っていったんだろうなあ・・・。いやバカバカしくって、好きなんですけどもね。

「ガレージセール」
(原題:Garage Sale)

(あらすじ)
デクスターの新しく発明した光線銃、だがその威力はとてもすさまじく、さすがのデクスターも「厳重に保管しておかなきゃ」と言うほどに危険な物。

早速その光線銃を隠そうとするのだが、どこへ隠してもすぐにバレてしまいそう。そこでデクスターはわざと自分の部屋のオモチャの中へと置いておく。これだけ目立てば却って気付かれないという物。

ところが運の悪い事に、今日は家中のガラクタを売る「ガレージセール」の日だった。ママが光線銃があるとも知らずに、デクスターのオモチャを売りに出してしまい、そして光線銃を、よりにもよってマンダークが目を付けてしまった!なんとか取り返さないと・・・!


(解説)
やはり見所は、光線銃を取り返そうと奮闘するデクスターでしょうか?シャワーからあがったばかりの、いわば裸同然の姿で頑張ってくれます。

こうしたガレージセールは、日本では馴染みが薄かったのですけど、ここ数年で随分と定着してきた感じがありますね。やはり一連のフリーマーケットブームとも関連しているのでしょうか?

さて今回は本編以外の所で、ちょっと面白いエピソードが。実は今回のお話、海外では次の第78話の、それも一番最後の所に組み込まれておりました。それってつまり、このエピソードが、まさに「デクスターズラボ」シーズン4の「ラストエピソード」だと言う事。そこに着目して、今回のお話をもう一度良く見てください。・・・何か気付きませんか?ポイントはデクスター一家が「家にある物を全部売ろうとしている」という事。更に追い討ちをかけるように、ディディがパパの車や、果てはデクスターのラボまで売ろうとしていますよね。つまりこれって、デクスター一家が家の中の物を全部売り払って、どこかへ「引越し」してしまうんでは?とも解釈できるんですよね!そしてその引越しが、まさにシーズンの最後に来てるという事は・・・まさか今回って最終回・・・?

・・・とまあ驚かすような書き方をしましたが、まあそれはつまり「そういう解釈も出来る」というだけの話。でもそう解釈すると、デクスターがマンダークに謝るシーンが、結構深い意味を持ってくるのでは?などと色々と考える事が出来ますよね。


第78話
(#78)
「免許皆伝」
(原題:They Got Chops)

(2003/11/13初放送)

(あらすじ)
ディディが柔道を習い始めた。それはいいのだが、デクスターは技の練習台となってしまい、ディディに投げ飛ばされてばかり。

そこでデクスターも柔道を習う事に。そしてディディとの柔道対決が始まった・・・!


(解説)
ただでさえ迷惑な存在であるディディが柔道を習い始める。これ以上迷惑な話があるでしょうか?そんなわけで今日の見所は、ひたすら投げられ続けるデクスター。まあ悲惨な限りですね・・・。

ところでディディの掛け声が気になります。「アーシュタキー!!」って・・・、いやいいんですが・・・。

「デクスターの恋」
(原題:Poetic Justice)

(あらすじ)
デクスターが恋をした!お相手は、スクールバスでいつも一緒になる、メリーウェザー。だがしかしデクスターは、その気持ちをどうにも伝える事が出来ないのだった。

そこでディディの助言を得て、メリーウェザーに「詩」を送る事に。作戦は見事成功!メリーウェザーのハートをゲットする事に成功したのだが、だが調子にのったデクスターはついつい・・・?


(解説)
デクスターが恋をする!ってのは、ちょっと珍しいですね。しかもお相手のメリーウェザーは一切顔を見せません。どんな顔なのか気になりますね!!

そんなわけで見所は、メリーウェザーにアタックするデクスター。でも、ディディに助言をもらうってのは、ちょっと間違っているような気がしないでも無いぞう・・・?

「ディディ、動物園へ行く」
(原題:Comedy Of Feathers)

(あらすじ)
ディディはデクスターと一緒に動物園へとやって来た。たくさんいる動物を見て、大喜びのディディ!

とディディはその中の、「ダチョウ」に目を止める。ダチョウが立派な羽を体を持っているのにも関わらず、変な顔をしているのが気になったディディは、ダチョウを助けてあげよう!と奮闘するのだったが・・・?


(解説)
シーズン4最後のお話は、ディディとダチョウの追いかけっこです。もうそれをただ楽しめばいいでしょう。またそれを傍観しているデクスターもいい味出していますね。

また動物園へ行く途中の描写も面白いですね。冷静なデクスターとはしゃいでいるディディの対比がとても良く出ています。まさに今回は全編が見所と言っていいでしょう。

・・・と思っていたら、実は今回の脚本と監督は、「デクスターズラボ」の原作者でありかつ、シーズン2までのメインスタッフであった、ゲンディ・タルタコフスキー氏だったのですね!なるほど、道理でデクスターとディディの動かし方が、すごい上手いわけですね!

そしてこれを手がかりにする事で、一体シーズン3に「何が」足りなかったのか、それがはっきりしました。それはズバリ「ディディ」の存在。シーズン3はそれまでと違って、ディディの出番がぐっと減り、代わりにデクスターが中心となる事が増えました。でも今回を見る限り、やはり「デクスターズラボ」の主役は「デクスター」では無く、あくまでも「デクスターとディディ」という事なのですね。そう、オープニングに最初に登場するのは「ディディ」の方なのですから。

シーズン4になって、スタッフもようやくそれに気付いたのでしょうか、かなりディディの出番が増えました。そしてゲンディ氏が、改めてディディの存在の大きさを知らしめてくれたわけですね。